ロシア旅行攻略法【ロシアは本当におそロシアなのか?】

近いようで遠い、ミステリアスな国ロシア。都市伝説なのか現実なのか、様々な情報が入り乱れ、もはや得体のしれない危険な国、おそロシア。

しかし世の中の情報は、極端な情報ばかりで、実際にその国に行ってみると「全然思ってたんと違うやん!」ってことが多い。

実際のところはどうなのか。私が訪れたのは、ロシアの中でもモスクワとサンクトペテルブルクのみではあるが、実際に感じたこと、気付いたことをお伝えする。

ロシアの治安はどうなのか

散々ロシアは危険!という話しを聞く。

あるロシアに留学していた人は「ロシアに行くなら、必ず常にある程度の現金を持っておくように」とアドバイスしてくれた。その理由は「クレジットカードが普及していない」というのではなく、「殺されるなら、お金を渡す方がマシだから」と。

また友人は、ソチ冬季オリンピックに何としても観に行きたかったので、ロシアに行き、無事帰ることができたのだが、「あまりの恐怖でストレスが溜まり、帰ってきてから高熱を出して寝込んだ」と言う。

しかし、モスクワ、サンクトペテルブルクの観光名所周辺は、ほぼ心配無用。夜の10時でも、実際女性が一人で歩いているのを見かけるし、母親が子供を連れて歩いているのも見かける。観光地に関しては警察も多いし、壁に落書きもゴミも見ない。

世界中どこでも用心に越したことはないが、よく言われる「ロシアは怖いところ」ではない。

ロシア人は朝から晩までウォッカを飲んでいるのか

ロシアといえばウォッカ。寒いからウォッカを飲んで暖を取るため「ロシア人はいつもウォッカで酔っぱらっている」とよく言われる。

しかし滞在中は典型的な「ザ・酔っ払い」を見たのは、ヴェルニサージュ市場でみた、騒がしい おっさん一名のみ。

また 壮絶なウォッカの売場を期待しながら、大型ショッピングモールのスーパーに行ってみると、実際は思ったよりウォッカ売場の面積は小さく、ビールの棚の方が何倍もある。

プーチン大統領はビール党というウワサは聞いていたのだが。。。

大きなスーパーのウォッカ売り場 以外と種類が少ない

いや、「ロシア人=ウォッカ=酔っ払い」これも大いなる思い込みだった。AFPのニュース記事「ロシアのアルコール消費量40%減 WHO報告書」によると、

世界保健機関(WHO)が1日に発表した報告書によると、大酒飲みが多い国として知られるロシアのアルコール消費量は2003年から2016年に43%減少した。

 WHOは減少の理由に、アルコール飲料の販売規制や健康的な生活習慣の奨励など、スポーツ好きで知られるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が導入した数々の施策を挙げている。

 (中略)

WHOが先に発表した別の報告書によれば、ロシアの成人の平均アルコール消費量は現在、フランスやドイツの成人より少ないという。

なるほど!腑に落ちた!確かにパブに行っても、みんなおしゃれにお酒をたしなんでいる様子で、豪快に酒を飲んでいる姿は見られなかった。

世の中どんどん変わっていってるんやなあ。

ロシア人は笑わない

ロシアから帰国時、フィンランドのヘルシンキから帰ったのだが、たまたま飛行機で隣の座席に座っていた人が、日本の某有名ツアー会社の添乗員さんだった。

その女性に「今まで沢山訪れたなかで一番嫌いな国は?」と質問した。

すると彼女は「今ロシアに行ってこられたところで、こう言うのもアレですけど、ロシアですね。笑顔がないし、ホンマみんな不愛想やし」と答えた。

確かにお店で買い物をするときも、窓口の係員の人も、基本的に笑顔が少ない。笑顔どころか、かなり不愛想に見える人も確かにいる。

しかしこれは理由あってのこと。ロシア人は性格が悪いという訳では決してなく、単なる考え方の違いなのだ。

ロシアビヨンドの 「ロシア人が笑顔を見せない10の理由」という記事によると、

「ロシアでは、知らない人には笑顔を見せない。笑顔は主に、知り合いに向けられるものである。それが故に、販売員は客に対して笑顔を見せないのである。客が知り合いだと、ようやく微笑む。」

確かにパン屋さんにパンを買いに行ったとき、その店の店員さんは不愛想な だった。

しかしパンが美味しかったので、もう一度買いにいったとき、店員さんはニコっと笑顔を見せてくれた。

「ロシアの会話において、笑顔は礼儀正しさの印ではない。持続的なつくった笑顔は「形式的微笑」と呼ばれ、偽善、裏がある、腹を明かしたくないといった、人間の悪い兆候ととらえられる。」

ロシアで凍った道ですべってコケタ時に、何人かに助けてもらったり、寝台車で同じ部屋だった人に、通勤前の忙しいときにタクシー配車サービスでわざわざタクシーを呼んでもらったり、親切な人は多い。親切なのだが、みんな単にニコニコしていないだけなのだ。

昔、ゴルバチョフが最高指導者だった時、日本ではあの優しい笑顔のゴルバチョフ書記長/大統領は大人気だった。しかしロシア人にとっては、強面のエリツィンやプーチンの方が信頼できるというので、それが不思議でしかたなかった。

「笑うところではないのに、なぜ笑ってるの?」というロシア人の感覚が先に分かっていれば、ロシア人のおっかないイメージはなくなってしまう。

私もそうだが、日本で普段から無理に愛想笑いし過ぎている人なら、この国民性の方がよっぽど楽やなあ。

英語は通じるか

ロシアでの英語の普及率は、ロシアビヨンドの記事内の、2014年の調査によると11%とある。

実際の私の印象としては、通じる人、通じない人の差が極端で、通じない人は簡単な単語ですら通じないが、逆に単語が通じるレベルの人は、英語がかなり流暢に話せる人だったりする。

ここが日本と違うところで、ロシアの場合はそれなりの教育を受けてきた人は英語を話せるという印象だった。

また英語で話しかけると、あからさまに嫌そうにされることもある。これは日本に来た外国人が、日本人に英語で話しかけたときにも、同じ目にあってると思うのだが。

それでも体感的にはロシアより日本の方が、概して英語が通じる気がする。

庶民的なレストランや、売店などは英語が通じないことが多いが、ほんの少し高めのレストランなら通じることが多く、英語メニューを置いているところもある。お土産屋さんも通じることがある。なので観光に関しては、さほど大変なことはない。

どうしようもないときはGoogle翻訳を活用すべし。

クレジットカードは使えるのか

モスクワとサンクトペテルブルクに関してのみだが、日本よりも普及していると感じた。宿泊先はホテルではないので現金払いだったが、鉄道もメトロの乗車券もクレジットカードが使える。

ヴェルニサージュ市場のような昔ながらの市場はほぼ使えないし現金を持っていこう。でも基本安いし大金はいらん。

まとめ

恐ロシアのイメージがネタ的に先行してしまった感。文化的な違いがあるだけで、それはどの国も然り。

「店員さん感じ悪いし、みんな愛想悪いし、ロシア嫌い!」なんて勿体ないことにならないよう、前もって理解しておくと、もっとロシアを楽しめるよ!