1月19日、真冬のロシア一人旅11日目、モスクワ5日目、今日の予定は午前はレーニン廟、カザンの聖母聖堂に行って、あとはお買い物。明日の早朝にロシアを出発するので実質今日がロシアの最終日。悔いが残らないよう、ヴェルニサージュ市場と、ツ・エヴロペイスキーショッピンモールでロシアの思い出をがっちり買うて日本に持って帰りますねん。
9:30出発。レーニン廟は10時からオープンするので、それに合わせて出発。
クレムリン側から朝日の光が差し込む。
10:00前に赤の広場のレーニン廟に到着するが、既にすごい行列。この季節、ロシアでは、どこも行列でならんだことが無かったのに、ここに来て初めて並んだ。今の季節でこの行列ということは、夏はもっと並ぶんだろうなあ。
しかし10時を過ぎると、行列はすぐにレーニン廟へと入っていき、あっと言う間にレーニンの遺体に対面できた。
レーニンの遺体は、エンバーミング処理という特別な防腐処理がされているため、今もその姿を見る事ができる。
レーニンは暗殺未遂の後遺症と、戦争と革命の激務もあり、1924年1月21日、53歳で亡くなっている。若い時にに亡くならはったんやなあ。
レーニンの遺体は、あまりにもキレイで、生きていて眠っているだけのように見える。
このモスクワの中心である赤の広場にレーニンという共産主義の象徴を置くことは、レーニンとその主義を神格化してしまい危険であると考え、埋葬すべきという人もいる。
何が良くて何が悪いか決めつけることはできないが、このように今でも誰もがレーニンの姿を拝見できるというのは不思議で、貴重なことである。日本人的な発想だが、神様は一柱ではなく、たくさんおられ、いろんな神様がいるということを考えてしまう。
レーニン廟の建物とクレムリンの壁の間には、Kremlin Wall Necropolisという共同墓地がある。
ここには十月革命での社会主義左派勢力ボリシェヴィキの犠牲者が埋葬され、スターリン、プレジネフや、チェルネンコまで、ソ連の著名な政治家、革命家が埋葬されている。
いつ見ても美しい 赤の広場、聖ワシリー大聖堂も今日で見納め。また今度ね!
10:45、赤の広場のすぐそばにある、カザンの聖母聖堂へ。
カザンの生神女(正教会におけるイエスの母マリア)のイコンは、以前はこちらのカザン聖母聖堂に安置されていた。現在はサンクトペテルブルクのカザン大聖堂にある。
こちらの聖堂もスターリン時代に破壊されている。現在の建物は1993年に再建されたもの。内部は撮影できないが、信者がたくさん集まっていて、サンクトペテルブルクのカザン大聖堂でも感じた祈りのパワーで溢れていた。
ロシア国立歴史博物館の赤の広場の反対側の像は、ソ連の軍人、ロシア革命ではボリシェビキのメンバー、ソ連邦元帥であった、ゲオルギー・ジューコフの像。彼の遺灰もクレムリン・ウォール・ネクロポリス共同墓地に埋葬されている。
赤の広場を後にして、プロシャジ・レヴォリュツィ駅から、メトロ3番線に乗る。ここからお土産市場のヴェルニサージュ市場近くのパルチザンスカヤ駅へと向かう。
パルチザンスカヤ駅の装飾もまたすごい威圧感。なんちゅうても駅の名前が「パルチザン」やし。大祖国戦争、つまり独ソ戦のパルチザンの英雄を称えている。
雪道をヴェルニサージュ市場に向かって歩いていく。
なんだか昭和的な・・・。
なかなかカオスな雰囲気に見えるが、中に入るとロシア感が半端ない。
マトリョーシカ、プーチングッズ、民族衣装、毛皮アイテム、陶器、工芸品、たまにチェブラーシカなどなど、すごい数。しかも安い。今まで見た中で一番安いし、種類も豊富。
そして突き当りを左に曲がると、こちらは、ミリタリー系グッズ満載。ミリオタにはたまらんグッズが所狭しと並んでいる。なんとなく、ここからは撮影する勇気がなかった。
市場内には、飲食のお店もあり、暖かいコーヒーや紅茶も販売している。えらいたくさん並んではったし、私も買ってみた。謎の料理。
蕎麦の実に、チキンとクリームソースを載せた料理。素朴な味で、めちゃくちゃ旨いという訳ではないのだが、おなかが膨れてあったまる。
市場内のミリオタ通りの一角にマトリョーシカを売っているお店があった。ここのお兄さんが、良いマトリョーシカの見分けかたを教えてくれた。
・マトリョーシカの底にサインが入っているもの。
・手作りなので、絵柄が一つ一つ違うもの(大量生産系は同じ絵柄がプリントされてる)
・中に入っている一番小さいマトリョシカまでしっかり絵が描かれていること
結局めちゃくちゃ安いマトリョーシカは、中国製なのだと。
この兄ちゃんのところで3種類マトリョーシカを購入。
このお店の隣も、すごく緻密な細工が施された木製の小物や絵などが売っていて、マトリョーシカ屋の兄ちゃんが奨めてくれた。あまりに素敵で思わず買ってしもうた。
さらに上の階にも所狭しとアートな品や、民芸品、骨董品などが並んでいる。レトロな社会主義時代のグッズなんか、転売したら儲かるんちゃうやろうかと思う。
こんな感じの甘いモンやら辛いもんがごちゃ混ぜに売っている。
季節柄か観光客をあまり見ない。見たところロシア人のお客さんの比率が高い。特にミリオタコーナー。
マトリョーシカ柄の鍋つかみを買っているとき、向こうの方から大声が聞こえてきた。絵にかいたような「ザ・酔っ払いのおっさん」が、陽気に騒いでいる。
するとオッサンは、雪で滑ってすってんころりと豪快にこけ、あおむけに倒れた。しかし、まだ大声ではしゃいでいた。
お店の兄ちゃんが、「たった一杯のウォッカであれだよ。。。」と苦笑いしていた。
私はロシアに来てから3回滑ってコケたのだが、この「ザ・酔っ払いのおっさん」以外、他にコケてる人は全く見なかったことで、なんだか切なくなった。
この写真では、ヴェルニサージュ市場のポテンシャルはわかりにくいかと思うのだが、こんなカオスな店構えなのに、よく見てみると、強烈にカワイイものがたくさん売っている。日本で手に入りにくそうなデザインの小物が安くで手に入るから、これまで旅した中で、一番買いたいと思うものが多かったかもしれん。
しかしここを資本主義的な 小洒落たモールにしてしまうと、こんなに安く買えなくなっちゃうんだろうな。。。ずっとこのままであってほしい。
そして再びメトロのパルチザンスカヤ駅からメトロ3号線に乗り、キエフスカヤ駅へ向かう。
レトロなヴェルニサージュ市場とは対照的なのモダンなショッピングモール、ツ・エヴロペイスキーへ。この両極端さもまたロシアの魅力。
ここでは、ロシアのオーガニックコスメブランドのナチュラシベリカで、ボディークリームや石鹸などコスメ系を、そしてスタバがあるので、世界一かわいいマトリョーシカの絵のタンブラーを買うのが目的。
ちょっとカフェで休憩。しかしスタバではなく、ロシアとウクライナにあるコーヒーチェーンのКофе Хауз(Kofe Khauz)へ。写真のケーキはモスクワという名前。コンデンスミルク、ナッツとコニャックの入ったケーキとのこと。
このドギツイピンクのケーキ、正直美味しくなさそうと思ったのだが、名前が「モスクワ」だったから、ついつい注文してしまった。
・・・いやそれがね、実はめっちゃおいしいのよ。
なんでかね。チェーン店なのにケーキが美味しいとは。。。こっちに来て思うのだが、ロシア資本のレストランやカフェは、チェーンでも味が手作りっぽいの。工場で大量生産しているような味じゃない感じ。
からくり人形。無駄に金かかってる。
もう一つのこのモールに来た目的は食料品売り場だ!お土産に、ロシアのワケのわからんもんを買うて帰りたい。
海外旅行中はスーパーや食料品売り場を物色するのが楽しみ。国の文化を垣間見れるし、好奇心が止まらなくなる。
ロシアといえばお酒が強いイメージだが、ビールの種類がめちゃくちゃ多い!しかし海外のビールが半分ぐらいを占めていた。
ロシアと言えば、やっぱウォッカでしょう。と思って、ウォッカコーナーに行ってみたが、以外と種類が少ないかも。お店によるかもしれんが。ポーランドの方がウォッカの種類が壮絶だった。
どれがロシアのウォッカか、どれが美味しいのか、さっぱり訳がわからんので、結局買わなかったが何か買うときゃよかったな。
これ合理的というか、身体に悪いというか、ロシアの酒売り場には、スナック菓子コーナーが隣接しているパターンが多い気がする。
このスナック菓子は、ラスクなのだが、甘いラスクではなく、スパイシーだったり、ベーコン味だったり、おつまみにピッタリなのだ。
チョコやラスクや謎のお菓子など購入し、キエフツカヤ駅からメトロで宿の近くの駅へと向かう。
アルバツカヤ駅に到着。ここから歩いて宿に帰ろうと思い地下道を歩いていたところ、ここでもストリートの演奏。これがめっちゃくちゃカッコよかった。
基本ハードロックバンドで、エレキギター、ベース、サックス、ドラム、そしてバラライカを使っていて、民謡ハードロックなのだ。
ほんとに奥深いロシア。モスクワにはまる5日いたが、全然足りないわ。。。
そして今日の晩御飯。なんか中途半端にケーキとか食べちゃったから、がっつり食べる気力もなく。しかしビールは飲みたいし。ということで、サーモンのサンドイッチとロシアのビール。
さて明日のために、いまから荷造り。たくさんお土産買っちゃったから大変だ。
ではまた明日!