1月14日 、真冬のロシア一人旅6日目、サンクトペテルブルク5日目は、サンクトペテルブルク最終日ということで、荷物をモスクワ駅に預け、サンクトペテルブルク散策、買い物と、血の上の救世主教会と、カザン大聖堂を訪れ、夜23:49に寝台列車グランドエクスプレスで、モスクワへと向かう。
まずはチェックアウト、泊まっている宿は普通のアパートの一室なのだが、オーナーや管理人は常時待機していない。オーナーに予約サイトからチェックアウト時間と鍵の受け渡しを確認するメッセージを送り、9:00頃、管理人さんに鍵を返し、チェックアウト完了。
これから夜まで時間がある。スーツケースなど荷物をモスコフスキー駅の地下にある有人の荷物預り所で預かってもらう。1日預けて450ルーブル(約743円)だった。
サンクトペテルブルクは最終日なのでお買い物デーでもある。しかしこのあとモスクワに行くので控えめにしておかねば。
1件目は宿からすぐ近い「ザ・お土産屋さん」的なお店Taste of Russiaへ。マトリョーシカや民芸品など色々置いている。 店員さんは英語可能で色々説明してくれる。チョコレートならサンクトペテルブルクに工場がある クルプスカヤ のチョコレートが一番おいしいと教えてくれた。
このお土産屋さんの右隣に、赤ちゃんの顔のパッケージがかわいいアレンカのチョコレート屋さんがある。
ロシアのチョコといえば、赤ちゃんマークのアレンカのチョコレートなのだが、こちらはパケ買いだ。 写真の右下の水玉のチョコが、クルプスカヤ(Крупской)のオレンジのチョコ。実際のところ、色々試してみたが、 私的にもクルプスカヤ(Крупской)のチョコが一番旨かった。
このリスのチョコも クルプスカヤ(Крупской)のチョコでヘーゼルナッツ味。サンクトペテルブルク以外でも手に入ると思うが、サンクトペテルブルクの方が見つかる確率が高く、全体的に値段も少し安いと感じた。
チョコばっか物色してすっかりお腹が減った。ピロシキを食べよう!ネフスキー大通り沿いの、シュトルレ(Штолле)というピロシキ屋さんへ。
ロシアのピロシキは日本のピロシキとは別もので、揚げておらず、大きなピロシキをキッシュのようにカットしているものや、小さいパンの中に具が入っているのもある。とにかくパン生地の中に具が入ったものがはピロシキなのだ。
こちらはクリームチーズとサーモンとブロッコリーのピロシキ。ぎゃはは!こんなんウマいに決まってるがな!
次にこのサンクトペテルブルク滞在中、外からは何度も見ていた、血の上の救世主教会の中にいよいよ入る。
入口は裏手右側、チケット売り場は裏手の中央側にある。
ドームの内側には、全能者ハリストスと大天使たちが描かれ、光を放つイコノスタス、たくさんのトパーズや、青金石(ラピスラズリ)など半貴石で飾られている。
血の上の救世主教会という名前は、農奴解放などの大改革を行ないロシアの近代化に貢献した、皇帝アレクサンドル2世が、急進派組織によるテロの標的となり、1881年に、この地で暗殺されたことに由来する。
そのアレクサンドル2世が運ばれて息を引き取った場所がエルミタージュ美術館の中の「アレクサンドル二世が息絶えた場所」である。
後継ぎである息子のアレクサンドル3世が、父の死を悼み、この地にロシア教会を建てようと1883年に着工、ロマノフ王朝の末期の1907年に完成した。
高さは94m、土台は当時最新の技術で杭を打たずにコンクリートが用いられている 。外壁はレンガ。モザイク、タイル、大理石で装飾されている。
青・白・緑の玉ねぎ型の屋根はエナメル塗装。
サンクトペテルブルクを歩いていると、バロックやクラシック様式の建築物が見られ、ヨーロッパの都市にいるように感じる。これはピョートル大帝の時代からヨーロッパ化が推進されててきたため。しかしこの血の上の救世主教会は、玉ねぎ型の屋根、無数のモザイク画の壁面など、中世のロシアの建築、本来のロシア伝統的な建築を踏襲している。
こんな美しい教会であるが、やはり悲しい過去がある。ロシア革命による社会主義体制で、この教会は1930年代初期に閉鎖。第二次世界大戦中は野菜倉庫となり、レニングラード包囲戦で損害も被っている。
1970年7月には聖イサク大聖堂が管理することとなり、血の上の救世主教会の復旧を手掛け、27年にわたる修復工事を経て、1997年8月、ようやく60年ぶりに一般公開され今に至る。
そんな歴史を考えると、今このように見学させてもらえるということは、本当にありがたいことやなあ・・・と感じてしまう。
そして血の上の救世主教会の隣りにある、ミハイロフスキー公園に入る。
ロシア美術館ではこの日まで、カール・マルクス生誕200年ということで、Karl Marx Forever展を開催していた。気になる。。。このあたりももっと学びたいところ。ロシアも歴史や文化など本当に奥深い。
サンクトペテルブルク土産の総仕上げは、シンガー社ビルのドム・クニーギ。こちらはお土産屋さんというより本来は本屋さんなので、他のお土産屋さんと比べて品ぞろえは少ないが、 観光客向け価格ではないので値段が良心的なのだ!プーチンカレンダーやチョコレートも置いてるぞ。
あまりにもお土産に興奮しすぎてあっという間に真っ暗になってしまった。シンガー社ビルの向かいにある、カザン大聖堂で、サンクトペテルブルクの観光をしめくくる。
大聖堂にカザンという名が付けられているののは、カザンの聖母に由来する。カザンの聖母とは、カザンの生神女(しょうしんじょ)。生神女とは、「神を生みし女」つまり、正教会におけるイエスの母、マリアの事。そしてカザンとは、ロシア連邦タタールスタン共和国の首都の名前。1579年、そのカザン市で、生神女(マリア)のイコン画が、ある幼い少女の夢の預言通り、地下で発見された。その奇蹟から、カザンの聖母は、カザン市を護り、また何世紀にもわたりロシアの守護者とされる。
サンクトペテルブルクのロシア正教会の首座教会である、ここカザン大聖堂は、ロシア正教会においてもっとも重要視されるイコン(聖像)のひとつ「カザンの生神女」のイコンを安置するために建てられた。皇帝パーヴェル1世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のような聖堂をと希望し、約10年の歳月を費やし1811年に完成。ロシア正教会では珍しい、半円状に弧を描くコリント式列柱の回廊が見られるカトリック風の建築となっている。聖堂内にはナポレオン軍を撃退したロシア軍総司令官クトゥーゾフ将軍が埋葬されている。1917年ロシア革命後、聖堂は閉鎖、聖堂は無神論博物館となり宗教を否定する場として利用されていた。ソ連崩壊後1996年にはロシア正教会として復活し、篤い信仰心を集める神聖な礼拝の場とされている。
内部は撮影禁止。この時ちょうど礼拝が行われ、広い聖堂内はたくさんの信者たちが集まって祈りを捧げており、すごい熱気。どこからともなく美しい賛美歌が聞こえる。奥の階上のほとんど見えないところに聖歌隊が揃っていて、その歌声が聖堂内に美しく響き渡っていた。聖イサク大聖堂や、血の上の救世主教会のような豪華さ、きらびやかさがはないが、信者の祈りの精神がビシビシ伝わってきて、心が洗われる場所だった。
そしてサンクトペテルブルクの最後の晩餐、ブリンザというレストランへ。ファミレス的でメニューも豊富、英語メニューに写真も掲載されていてわかりやすい。
ビールはBrynza、このお店の名前のビール。
オリヴィエサラダは、ロシア料理の一つで、オリヴィエという名はこの料理を考案したモスクワのホテルのシェフのベルギー人リュシアン・オリヴィエが由来。ジャガイモ、ハム、ゆで卵、キュウリ、ニンジン、グリンピースなどが入っているが、ポテトサラダやな。
こちらはチェブレキという料理。薄い生地に具を入れてカリっと揚げる料理。中身は様々だが、私はチーズのチェブレキを選んだ。ナイフを入れるとチーズが糸を引く。そしてトマトソースをつけていただく。ビールがすすむ。ロシアも粉モンがうまいなあ。日本のピロシキってロシアの焼いたピロシキと揚げたチェブレキをまぜて解釈したもんかもしれん。
全部あわせて523ルーブル(約863円)安い!!!
サンクトペテルブルク発モスクワ行きの列車は23:49発なので、まだ時間がある。モスコフスキー駅にはガレリエヤという大きなショッピングモールが隣接しているので、その中に入っているスーパーを物色する。
と、お菓子売り場は日本文化が炸裂しておった。
と思ったら、こちらはネコミミというナプキン。。。すごいキャッチと思ったが、日本の会社が作っていたので更にびびる。
そしてサンクトペテルブルクのユニクロ物色。
売っているものは殆ど変わらないと思われる。ただ入口にガードマンがいるので高級感が漂う。。。
フードコートで休憩。モールの中はあまりに暑いので、フローズンヨーグルトと生オレンジジュース。合わせて約512円。物価安いよなあ。
靴下やら買っていたら、あっという間に時間がなくなった。モスコフスカヤ駅に戻り、朝に預けたスーツケースをとりにいき、駅のホームへと急ぐ。
きゃあきゃあ!写真撮りたい!!!と思うもあまり時間がない。。。
このグランドエクスプレスという寝台列車、毎日サンクトペテルブルク23:49発、モスクワ8:14着、逆はモスクワ23:40発、サンクトペテルブルク8:36着という1日1本のスケジュールで走っている。
様々なクラスがあって、めっちゃくちゃ高い部屋はシャワーまでついてる超豪華な列車。しかしわたしゃエコノミーの4人部屋だ。
ロシアは宿が安いから、普通に宿に泊まって、特急でモスクワに行くほうが少し安いかもしれん。それでも寝台列車に乗りたかったのだ。男のマロンやん。
14号車・・・めっちゃ遠いし。。。全然到着せえへんし。。。
はあはあ、ようやく自分が乗る車両についたぞ。
2段ベッドの下の段を予約していた。
シートに見えるがベッドになっていて、赤いカバーをめくるとちゃんとシーツが引かれていた。枕元にコンセントやライトもある。
同じキャビンの向かいのベッドがサンクトペテルブルクに住む男性だった。ロシアのサーチエンジンと配車サービスなどが有名なIT企業、ヤンデックス社につとめていて、たびたびモスクワ出張があるので、移動時間を無駄にしないようにと、よくこの寝台列車を利用するんやそうな。初めて乗るモンにしたらワクワクなんやけども、彼にしたら実用的な宿泊施設なんだな。
モスクワの美味しいお店を教えてもらい、話しが弾んだが、早く寝ないと、ということで、すぐに消灯。ではまた明日。おやすみなさい。