イスラエル⑧マサダと死海ツアー、一人旅の出会い、最高の楽しみ方

紀元前120年頃、死海ほとりの沙漠にある、高さ400mの岩山の上に建築され、難攻不落と言われた要塞マサダ。政田はんとちゃいまっせ。マサダとはアラム語ヘブライ語で要塞を意味する、世界遺産の一つ。

イスラエル8日目は、世界遺産の一つマサダと、そのマサダの遺跡から見える、約30%の塩分濃度が含まれ、世界で最も低い場所、死海に浮かぶ。

海抜マイナス430メートル!

できることなら自力で来たかったのだが、死海ビーチで泳ぐ時、貴重品の置き場をどうするのか、一人で行ったら誰も荷物を見てもらえる人がいない…ということで悩んでしまい、結局現地日帰りツアーに参加することにした。

ツアー会社からのメールに、ツアーのバスは、「8:30にアグリパス・スクエアでピックアップします。」とのメッセージ。おいおい、おいらの名前がMR. Yoshieになってるぞ。。。まあ中身はおっさんみたいなモンやが。

と、少々不安になりながら、待ち合わせ時間より少し前に集合場所らしきところに到着。そこはスクエアというよりは、ラウンドアバウト三叉路交差点、まんまるいロータリーなので、これが「スクエア」なのか?と心配になる。

他にもツアーに参加するらしき人が数人その場にいた。香港から来たという夫婦は別の会社のエルサレムツアーに参加するとのこと。そしてもう一人フランス人の女性がおり、私と同じマサダ&死海ツアーに参加するとのことだったので、共に待っていた。

しかし待てど暮らせどバスは来ない。。。

40分経過。。。やっとバスが来た。どうやらいろんなところから客をピックアップして来るようで、遅れてしまうようだった。しかし待っている40分の間で、すっかりそのフランス人の女性と仲良くなった。パリの広告会社に勤めていると言うローレンス、私と歳がほとんど一緒で、既婚者一人旅。彼女のパートナーは今の時期休暇が取れないのと、イスラエルにあまり興味がないこともあり、ローレンスはここイスラエルに一人で旅行しているとのことだった。彼女には大学生の息子がおり、柔道は黒帯、アジアの文化に興味があり今は韓国の大学に留学している。既婚女性で一人旅をしている人にはなかなか巡り会えないので話しができて嬉しかった。

各ポイントから集められた客が乗っていた ツアーのバスは、30分弱走ったところにあるガレージで停車した。ツアーの言語によってバスを分けて移動するので、指示通りのバスに乗り換えることになっていた。私が乗っていたバスは英語ツアーのバスだったので、引き続き同じバス、移動する必要がなかったが、ローレンスはフランス語のツアーに参加していたので、違うバスに乗り込むことになった。残念。しかしまた現地で会えるねと Facebookのアカウントを交換した。

バスからスペイン語ツアー、フランス語ツアーなどの人が降りていき、新たに他のバスに乗っていた英語ツアー参加の乗客が乗車し、バスが進みだした。しかし参加者すごーく多い。やっぱ人気なんだ。

街から離れた途端、ラクダ発見!やっぱここは中東だったのか。他にも色々動物がいるのだが、よしおちゃんの興味なんかどうでも良いわな。バスはどんどん進んでいく。

これからどんどん海抜が低くなっていくぞっ。ぐおおおおおっ!

海抜マイナスキター!

溺れるわけやない。別に身体になんの変化もないわな。痩せへんやろか。バスは死海の横を走り、大変風光明媚なのだが、ここらは立ち入り禁止区域。有刺鉄線が貼られている。

入ったらあかんえ!

この死海沿岸は昨今どんどん陥没穴が増えている。どこが陥没するかわからないので大変危険な状態になっている。以前道路があったところやガソリンスタンドがあったところも地盤沈下で破壊され、廃墟化している。これも死海の水位が低下している為で、このままだと将来的には死海の水も干上がってしまう可能性もあるとのこと。

と言うてんのに、歩いとるがな!

危ないえ!

この2人以外、見ることはなかったが。。。

ツアーは例によって土産モン屋さんへ。と言うても、死海の成分を利用した化粧品AHAVAの工場兼アウトレットだ。雰囲気にのまれ、まんまと泥のフェイスマスクを購入。

さて、再びバスでドライブ。いよいよ岩山が見えてきた!

政田!政田!

まずはビジターセンターで映像を見て、マサダの歴史について学ぶ。

66年に勃発したユダヤ戦争で、ユダヤ人967人はローマ帝国に追われて、ここマサダに籠城する。1万人とも言われるローマ軍の兵士がこの周囲を包囲したが、この地形の為に攻撃は困難を極める。ローマ軍は、2年をかけて山の西側の崖を埋めることによって突入を開始。 篭城していたユダヤ人は、抵抗の上殺されるか、降伏して奴隷となるか、いずれかの選択をせねばならなっかった。そこでユダヤ人は、異教徒の奴隷となるより死を選び、ローマ軍の突入前夜に、隠れていた7人の女子供以外の全員が集団自決する。73年、ユダヤ戦争は終結する。これよりおよそ2000年もの間 ユダヤ人 離散の歴史が始まる。

この険しい地形…とはいうものの、今は麓からのロープウェイがあるのだ!

政田~っ!

ロープウェイを降り、景色に見とれ写真を撮っていた。

「アメイジングだね」と言う声が聞こえ振り向くと、岩のドームのようなおっさんがいた。

私を見て「ニイハオ」と言う。

「ニイハオちゃうわっ!」とよしおちゃん。

ここでお互い自己紹介。そのおっさんは、マイケルというアメリカ人で、本の出版会社をしており、自らも本を出版。ブックフェアの為に1か月ほどアメリカを離れ各国を回っており、テルアヴィヴのブックフェアを経て、しばしの休暇でこのツアーに参加したとのこと。離婚して独身。息子は3人、孫もおるんやそうな。

なんやかんやでこのマイペースでテンション高いおっさん、マイケルと友達になった。

Observation of the three northern palaces

この眺めの素晴らしい場所にヘロデ王の宮殿があった。ヘロデ王はローマ宮殿の様式をそのまま用いた建物を建築。冬の涼しい間、数週間をここで過ごした。

Upper Terrace からの眺め

眺めの良いテラス、たった数週間てかい!贅沢やのう。

ヘロデ王は紀元前100年ごろに作られた要塞を増改築し宮殿を建てた。時代は第二神殿時代、紀元前37年ごろ。その頃の壁のフレスコの一部も残っている。

乾いた沙漠の高地にある宮殿、お水はどうするねん?

雨水は水路を通り、この貯水池に溜められ、水を供給するシステムとなっていたとな。2000年前でっせ。なんちゅうスゴイ技術。

貯水池

そしてマサダには29室もの貯蔵室があった。

貯蔵室

数週間しか滞在しないのに、なぜこれだけ多くのものを貯蔵をしていたかというと、ここはヘロデ王の時代、宮殿としてだけではなく、要塞としての役割を果たすためだった。

ローマ帝国に反乱したユダヤ人は、集会をして、トーラーを読むための建物が必要となった。このヘロデ王の建てた建物をユダヤ教会、シナゴーグにした。ここで第二神殿時代の遺物として貴重な、当時のトーラー(ユダヤの律法聖書)の一部も見つかっている。

シナゴーグ跡の奥の部屋に進む。人形かと思ったらホンモノだった。

この部屋があった場所は、シナゴーグで最も神聖なトーラーを納めていた部屋があった。現在はその部屋を建て直し、数千年前と同じ場所で手書きのトーラーを実際に記しているのが見学できる。

マイケルは、このおじさんに「建国おめでとう。僕はイスラエルの建国記念日にここに到着したんだ。イスラエルの71歳の誕生日の次の日は、僕の誕生日で51歳になったんだよ」と。

おじさんはマイケルの名前をヘブライ語でカードに書いてもらっていた。うらやましい。この積極性、見習わねば。

途中でおしゃれな建物発見!と思いきや、こちらはハトの巣箱が入ったColumbarium towerという建物。

Columbarium tower

ハトが巣を作れるように壁に凹凸がある。ハトは食用にされたり、糞は農作物の肥料にされていたとも考えられるとのこと。

ここマサダに最後に人が住んでいたのはビザンツ時代、小さな修道院が建てられ修道士が住んでいたとのこと。

Byzantine West Gate

ああ、ツアーはどこへ。。。のんびりしてたら置いてけぼりだ。

ケーブルカーを使用しない場合は、Snake Pathを使う。夏は暑さの為、日の出1時間前から登るとな。実際この小道は日中は、熱射病の危険があり、通れなくなるんだそうな。

ここがSnake Pathからの入り口

この暑さ、ヘビもドライドスネークになっちゃうよ。

わしゃドライビーフにならんように、ケーブルカーで降りる。

アラビアテリムク Tristram's starling 左が男子 右が女子
イワスズメ 不毛な岩場に生息

ここマサダはユダヤ人にとって民族の聖地。イスラエル国防軍将校団の入隊宣誓式は、ここマサダで行われ式の締めくくりは「マサダは二度と陥落せず」と、民族滅亡の悲劇を再び繰り返さないことを誓う。

マサダのビジターセンターに併設されたレストランで昼食を取り、その後死海ビーチへ!ちなみにフランス語ツアーグループのランチタイムは死海ビーチのカフェだったそうで、だいぶ死海でゆっくりできたそう。英語のグループは人数が多いから時間がかかっちゃうみたいね。

わしゃこれがやりたかったんや!

死海で日経を読むよしおちゃん

死海で浮かぶってどんな感じだろう。そういえば子供のころから疑問だった。実際は泳ぎが急にうまくなったような感覚。浮き輪がなくても、ぷかぷか浮かんでいる感じ。とにかく気持ちええ。

泥をよしおちゃんに塗りつけようとする悪童マイケル

海の底は泥。砂浜から海水に入るときは、地面がぬるぬるで、バランス感覚がないよしおちゃんにはハードであった。しかしこの泥がミネラル成分が豊富で肌にええらしい。みんな顔やら体やらに塗りたくっていた。塩分とマグネシウムなどミネラル成分が豊富で、皮膚病から腰痛まで効果があるとか。肌の老廃物を除去し、肌がツルツルになると。でキズが、ある人は塩分がめちゃくちゃ沁みて痛いらしい。この海水をなめてみたら、塩辛いというより、苦い。にがりと同じ成分、塩化マグネシウムが入っているからだそうな。

世界で一番低いところにあるバー!マイナス420メートル。ちなみに死海には、マイナス430メートル表記があった。

最上級est好きにはたまらんバー

あっという間にバスに帰らなければならない時間だ。ツアーだとやっぱりゆっくりできないね。レンタカー借りてくるともっとゆっくりできただろうに。マイケルに「どうしてレンタカー借りなかったの?」と聞くと、「ツアーだと人と出会えるからね」と。

なるほど、こんな面白い人たちと出会えるならツアーもありだな。

みんなはしゃぎ過ぎたのか、エルサレムに帰るバスでは、みんなぐったり。

というものの、この中年トリオは元気であった。エルサレム到着。ちょっと一杯ひっかけまっか!

一件目、マハネ・イェフダ市場へ。アイリッシュパブなのだが、マイケルがここにしようという。

Okonol In The Market

例によってヘブライの看板で読めなかったが、Okonol In The Marketというお店らしい。Okonolってアイリッシュパブの名前でよくあるO'Connellのことかと。

よしおちゃんはアイルランドのギネスビールが大好きなのだが、せっかくイスラエルに居るなら地ビールや。ブロンドというビール。ベルギービール系のシトラスっぽい香りのビールだ。

「僕も昔はブロンドだったんだ」と言うのは、岩のドームヘッドのマイケル。ビール半分ですでに出来上がっていた。

店内BGMに合わせ勝手にPV撮影トランス状態のマイケル

スマホ用マイクを持ち、PVさながら振り付けありで歌いだすマイケル。

ブロンドビールを2杯ひっかけ、続いて二件目。

マーケットの路地を抜けたところ、ビルの間にあるテラス席。めちゃええ雰囲気やん。しかしお店の名前は不明。。。

まずはビール、飲んでみたかったタイベビール。パレスチナのタイベ村で作られているビール。1994に設立された中東で一番最初のマイクロブルワリー 。イスラムの国で作っているというのが不思議だったのだが、実はパレスチナの人もアルコールを飲んでいるがいるという。イスラエルからビールを取り寄せるよりも、自国で作るべきではというのが設立のキッカケとのこと。

パレスチナ産 タイベビール

さっぱりスッキリ。暑い日にぐいっと最高。

こちらのお店、ピザが素晴らしかった。ここなんて名前の店なんやろう。。。

隣りのテーブルで飲んでる兄ちゃんのTシャツも素晴らしかった。

なんと日本に留学していたそうな。日本語話せるし。すごい!観光客より地元民向きのお店っぽい。あまりに雰囲気が良くて長居してしまった。だからここなんて名前お店やねん。。。

そして中年トリオのリーダー、マイケルが踊りに行きたいと言う。フレンチのローレンスも超乗り気。日本人のよしおちゃんは、踊りというと、盆踊りくらいしか踊ったことがない。

服を着替えようということになったが、今回よしおちゃんは、ひたすら観光するつもりでだったので、お出かけ用の服は持参してこなかった。ところがさすがフランス人のローレンス。「ドレス2着持ってるから貸してあげる」ということで、お言葉に甘えて、貸していただく。「こういうことがあるからいつも旅行には持っていくのよ」とのこと。しかも2着も!

ローレンスに貸してもらったドレス ありがたや

エルサレムの夜の街を3人で歩く。しかし踊れる店は見つからない。踊れる店っちゅうのもようわからんのやが。

青いマクドナルド う~ん

ストリートミュージシャンの演奏も何だか独特の雰囲気。エレアコとバイオリンの演奏で曲はライオネル・リッチーの「ハロー」。

日中の暑さとは打って変わって、さわやかで涼しい夜風。イスラエルってこんなに平和なところだとは思っていなかった、と中年3人は同意する。中欧のユダヤ人街の雰囲気に近いかも。

あたりを歩いていると、急にマイケルがアホなことを。何を考えたのか、路面電車に向かって走っていき、通り過ぎる電車を追いかけて走っていった。

ひいてる地元民
アメリカ人の典型的なOMGの図
こっち来んな!

超変人だ。素晴らしい。

マイケルがググって見つけた「踊れる店」は結局見つからず、テキトーにテラス席があるバーへ。となりは水タバコを吸っている人たち。

ビールもそろそろお腹いっぱい。カクテルは悪酔いするので好みでない。イスラエル産のグラスワインがあったのでそれを選ぶ。

私が以前に通っていたアイルランドの語学学校の先生は、飲み屋で安い赤ワインと白ワインがあり、それぞれの価格が同じの場合、赤ワインを選ぶべし、と教えてくれた。白ワインはある程度の値段のものじゃないとおいしいものはない。赤ワインなら安くてもそこそこ飲めるという理論だ。

そして今隣に座るフランス人ローレンスはワインの本場の人ならでは「フランス産のワイン以外は飲まない」と言う。

じゃあこれ、のんでみて。と私の赤ワインを一口。

「おいしい!」と驚いていた。

よしおちゃんは普段フランス産ワインは、ある程度の値段のものじゃないとおいしいものに当たらないという理論を持っているので、基本フランス産ワインは買わないのだ。

おつまみは肉フムス

この飲み屋さん、会計があまりに高いので、突っ込んだところ、ウェイトレスさん「間違ってました…」と。会計の手続きに店内に入ると、BGMが爆音で流れている。

そこで踊り出した二人。

12時超えてまっせ。元気やのう。。。

帰りも再び走り出す変人マイケル。

ローレンスのホテルに戻り、ドレスから着替えて自分の宿に帰る。ほんまアメイジングな人たち。必ずまた会うことでしょう。

一人旅ならこんな楽しみもあるのだよ!