イスラエル③ガリラヤ湖沿いの街ティベリア~マグダラ遺跡

イスラエル3日目は、北部の街ナザレから、ガリラヤ湖地域の中心地であるティベリアに移動。

ティベリアには約2000年前の城壁やローマ浴場跡が残る。マイモニデスなど偉大なラビの墓がある、ユダヤ教の聖地、キリスト教にとってイエスの伝道の舞台。 ガリラヤ湖は南北約20キロ東西約12キロの淡水湖で、新約聖書の中で、イエスの奇蹟など、この湖にまつわるエピソードが多い。

イエスの「湖の上を歩く」奇跡 マグダラ内Duc In Altum

ナザレからティベリアは、路線バスで行ける。宿のオーナー曰く、「カナのバス停ならどこでもいいからそこで降りて、 431番に乗り換えれば簡単よ。そこからティベリアは30分に1本バスが出てるから。(2019年5月時点)」とのこと。

地球の歩き方だと、ナザレ旧市街から431番で行けると書かれているが、2019年5月の時点では431番は旧市街を通らずナザレ新市街側を通っているので、旧市街からだとカナでバスを乗換える必要がある。他の場所で乗換えもできると思うが、カナのバス停が比較的わかりやすい。

朝食後、9時過ぎにチェックアウトし、宿のオーナーに教えてもらった通り、ナザレ旧市街からバスに乗り、カナのバス停で降り431番を待つが、丁度前のバスが出発したところだったので、なんやかんやで1時間近く待つ。

カナ地区のテキトーなバス停にて

カナの街を過ぎ右折すると、周りはただ野原が広がる道路。そしてしばらくすると湖が見えてきた。

バスから見るガリラヤ湖

ティベリアの宿の近くのバス停で降りるとき、「トランクにバッグがあるから開けて」と運転手の兄ちゃんに伝える。運転手は頷く。

そしてバスを降りると、バスはトランクを開けずに出発しようとする。

せやな…やっぱ伝わってないわな~。。。バンバンバンッ!!!(車体を激しく連打)

運転手の兄ちゃん、気付いてくれた。。。トランクが開き、無事スーツケースを捕獲。

バス待ちの時間が長ったので、結局2時間弱かかり、11時ごろ宿に到着。

Booking.comのサイトから宿宛てに「昼前に到着するので、荷物を預かってほしい」とメッセージを伝えていたが、 Bookingアシスタント という機能を通していたからか、「荷物預かりのサービスがあります。」という返事があったものの、AIの自動返信ぽかったので、宿主に伝わってないかも・・・と思いつつ、宿に着くと

「どうしたの?チェックイン時間はまだだから、準備できてないんだよ」とご主人。

「早く着くから荷物預かってほしいってメッセージ送ったんやけど、自動応答やったし…やっぱ伝わってなかったよね・・・」とよしおちゃん。

「ちょっと待って、あ、ほんまや。メッセージ入ってるわ…」とご主人。

大事なメッセージはBooking.com の微妙なアシスタントより、メールで伝えるべしやな。

まあ、とにかく荷物は無事預かってもらえたし良かった。そして今日は金曜日。夕方から安息日ということで、バスが運休する。 さっそく出かけよう。

宿泊先のDavid Hostelは市街地の北側。最寄りのバス停から、ティベリアセントラルバスステーションまで行き、そこで52番のバスに乗り換え、ガラリア湖沿いのマグダラセンターまで出かける。

こちらのバスの運転手さんにも、行きたい場所が伝わらなかったのだが、英語が話せる兄ちゃんが前の座席にいてくれたおかげで無事行先も伝えることができた。ありがたや。

そして52番のバスはマグダラを少し超えたところ、Migdal North Junctionで停車。

Migdal North Junction バス停

ここから1.2km マグダラまで とぼとぼ歩いて行く。

ロータリの左手に時計台が見える。ここにスーパーやレストランが並んでいて、その奥からマグダラまで進むことができる。

マグダラセンターのミグダルシナゴーグ

ここマグダラは、第1次中東戦争まではアルマジダルというアラブの村だった。2009年、一世紀のシナゴーグ跡や、マグダラストーンなどが発掘され、現在公開されている。

マグダラと言う名は、何と言うても新約聖書に登場するマグダラのマリア。イエスに7つの悪霊を追い払い病気を治してもらい、イエスの死と復活を見届けた聖人。そのマグダラのマリアがこの地の出身と言われている。

そしてここマグダラという場所には遺跡がある。これはそもそもキリスト教信者にとってスピリチュアルな聖地であるガリラヤ湖畔に、巡礼者に快適な宿泊施設を建設しようと準備を始め、2009年にこの場所を掘削しはじめたら、なんと、ほんの30㎝下に、1世紀のユダヤ教会堂シナゴーグ跡が見つかったそうだ。イエスが布教をしていたと考えられるシナゴーグである。ガレリア地域では最古、これまでにイスラエルで発見されてた 1世紀に建てられたシナゴーグ7か所の内の一つである。

そしてシナゴーグの中には、ここ50年の 考古学上の遺物として最も重要と言われる「マグダラストーン」が見つかった。

マグダラストーン

近年の聖地で発掘された最も重大な遺物の一つ、マグダラストーンによって、第二神殿時代( 紀元前516年~紀元後70年 )のユダヤ教がどのようなものであったがより明らかになる。

この前面の彫刻の中央にあるのが、ユダヤ教の儀式などに用いる7 本枝の燭台、メノーラー。ユダヤ教の象徴的存在。マグダラの考古学者が注目している。外側には柱が二本あり、上部に見られるアーチを支えており、当時の建物を表している。

マグダラストーン前面

前面と側面がエルサレムの第二神殿、こちらの後ろ面は、車輪が並びその下の三角形は炎、ユダヤ神殿の一番奥の部屋である聖域である「 至聖所 (Holy of Holies)」ではないかと言われている。

マグダラストーン後面

上部は6弁の花びらの形のロゼット(バラ飾り)が見られる。

マグダラストーン 側面と上部

このエルサレムの神殿を現すマグダラストーンは座って読み物をする台として、もしくは講壇ではないかともいわれている。

シナゴーグ跡のモザイク模様
シナゴーグ床のモザイク柄
シナゴーグ床のモザイク柄

さらに考古学者が発掘を続けていくと、およそ2000年前、1世紀に存在したユダヤの街全体がすぐ下に埋もれていることが分かった。今見られる発掘箇所はまだ1割であるが、既にここマグダラのマリアの故郷は、イエスが宣教し、1世紀のイエスの弟子たちの生活とつながる場所として信者が巡礼する聖地となっている。

1世紀の市場の遺跡

ここでは陶器や織物、生鮮食品など様々な商品が売られ、様々な大きさの水槽があって獲れ立ての魚を入れて貯蔵し売られていたのではないかと考えられている。

またなんと2000年も前というこの時代に、非常に高い技術を使った配管システムがあり、これによりそれぞれの店に新鮮な地下水を送っていたとのこと。

こちらは儀式を行う建物があったとされる場所。

Mikvaot ミクヴェ 沐浴場

儀式で身を清めるための水槽。

こちらもシナゴーグと同じくロゼッタ柄のモザイク床
港 1世紀のマグダラでは漁業が最も重要な経済活動
奥には美しいガリラヤ湖が広がる

1世紀に、このマグダラのシナゴーグにイエスが訪れ、集まったユダヤの住人らに教えを説いていた。そして現在はすぐそばには新しく美しい教会 Duc In Altumがある。

7つのチャペルが集まるDuc In Altum

ラテン語はDuc In Altum 、英語では「draw into the deep(沖に漕ぎ出して)」 イエスはガリラヤ湖に浮かぶ 舟 に乗り、人々に説教をしていた。そしてその舟を出していたシモン(ペトロ)に「沖に漕ぎ出して、網を降ろし、漁をしなさい。」と言う。イエスの弟子であり漁師であったペトロとアンデレが湖に網をおろすと、昨日まで不漁であった網に引き上げられないほどの多くの魚がかかっている。イエスの「お前は今から人間をとる漁師になる、神の国に人々を招き入れるものとなる」という言葉をシモン(ペトロ)はすぐに理解し、漁師という職業を捨てて、イエスに従うことになる。

Boat Chapel  

Boat Chapelではイエスが乗って説教をしたこと象徴する舟が祭壇となっている。

Boat Chapel

他にも小さなチャペルがあり、それぞれ新約聖書に出てくるシーンを描いたモザイクを見ることができる。

Walking on Water Chapel

ガリラヤ湖の水上を歩くイエス。よっしゃ自分もトライ!とペテロ、しかし少しの迷いの心で溺れそうになるペテロ。

Fishers of Men Chapel

イエスが初めての弟子となる漁師兄弟のペテロ(シモン)とアンデレに声を掛けるシーン

Mary Magdalene Chapel

我らがマグダラのマリア!12使徒とともにイエスに従う女性の重要な一人。

Mary Magdalene Chapel
Daughter of Jairus Chapel

特に女性に重きを置いたチャペル、このモザイク画は、イエスが死者であったヤイロの娘を生き返らせた奇蹟を現している。

Women’s Atriumの天井

それぞれのチャペルの中央にあるWomen’s Atriumは福音書に登場する女性たちを讃えた場所で、8つの柱があり、その内の7つはイエスに従った女性たちを表し、8つ目の柱は信仰心を持つ全ての女性を讃えている。

Encounter Chapel

階下にあるEncounter Chapelは、床が1世紀の港市場がそのまま使われている。そして「Encounter」という大きな絵画が飾られている。長年出血する病気で苦しんでいた女性がイエスの衣類を触れることで治ると信じ、すがりつくようにイエスの元へ行き、衣類に触れることで病気を癒してもらうことができたという話しが描かれている。

さて、ゆっくり見学もしたところで、ティベリアに帰るが、その前に、今日は夕方から安息日。スーパーもほとんど閉まるので、食料を買っておこう。

丁度マグダラの遺跡の横が大きなスーパーなので寄ってみる。

宿泊先にはキッチンがあるので、自炊でもしよかと思うが、野菜はね、見た目で分かるのよ。でも肉、さっぱりわからん。。。

スパイスもすごくいい匂い。ピクルスもある。でも何なんかさっぱりわからん。

チーズかヨーグルトなのかも何もわからん。。。

ほぼ英語表記がないので、見た目で明らかなものしか買えなかった。。。

明らかにピタパン、トマト、ビール、リンゴ、スナック菓子。不本意ながらもクリームチーズkiri。明らかにチーズと理解できたからな。冒険心のない買い物だ。

帰りのバス停は行きよりも近く、マグダラから少し南のMigdal Junctionバス停から450番に乗る。

バスからの景色

バスからの景色を楽しみながら、ティベリアセントラルステーションに到着。

タクのおっちゃんが客引きしてるので、テキトーに無視していたが、セントルバスステーションから外に出る方法がわからん。するとタクのおっちゃんが出口はあっちやと教えてくれた。愛想悪くしてごめんやで。

セントラルバスステーションに、マクドナルドへの入り口のような表記があるが、その階段を降りると、ターミナルの外に出ることができる。「出口」の表記すらわからんのだ。

で、これは「M」があるから、何ってわかるんやけどもな。

安息日の金曜日、16時を過ぎると車も人も少ない。湖の方まで歩いていき、安息日でも営業しているレストランに入ることにした。

イスラエルの生ビール、ゴールドスター

どうしてもティベリア湖畔で食べたかったものがあったのだ。

セントピーターズフィッシュ!

聖書に出てくる魚。徴税人がシモン(ペテロ)の元に税金の取り立てに来るが、納めるお金がなくて困っていると、イエスがペテロに「湖に行って釣をしてきなさい。最初に釣れた魚の口に銀貨が入っているよ」と言われ、その通りペテロが釣った魚に、銀貨が入っており、無事税金を納めることができたそうな。その魚が、このセント・ピーターズ・フィッシュなのだ。

前菜にオリーブのピクルスやサラダ、ピタパン。魚はグリルかフライか選べる。グリルにしてもらったが、淡水魚といっても生臭くなく美味しくいただきました。

で、銀貨入ってへんし、わしゃ税金払わんで~。

19:30頃が日没なのでなかなか暗くならない。

宿に着いた。結構坂道が続くので、歩くのが好きじゃないと大変かも。

宿泊先のDavid Hostel、窓からの夜景にうっとりしながら…おやすみなさい。


▼このリンクからブッキングドットコムで予約すると、2000円のキャッシュバックが受けられます!