イスラエル① ナザレからイエス最初の奇蹟の地、カナへ

イスラエル1日目は、空港到着後、イスラエル北部、キリスト教の聖地でもあるナザレという街に滞在する。

ベン・グリオン国際空港到着したら、まずはイスラエルの現金が必要。到着ロビーにATMがあるのでイスラエルの通貨シェケルを引き出す。ATM右側にはイスラエルの交通プリペイドカード「Rav-Kavカード」を扱う窓口があるので、そちらで専用カードを購入し、ひとまず100シェケルズ分(3100円程度)チャージしてまずは準備万端!

ベン・グリオン国際空港
ベン・グリオン国際空港空港到着ロビー

イスラエルでは、2019年の場合 (年によって日は異なる) 、5月8日と9日が戦没者記念日、独立記念日と祝祭日が続く。そして毎週金曜日夕方から土曜日まではシャバットと呼ばれる安息日があるので、イスラエルでは公共交通機関がストップする。しかしこの戦没者記念日と独立記念日は「宗教上の祝祭日」ではないので交通機関は通常通り運行しているとのこと。

空港からナザレまではバスを乗り換えていくほうが早そうだが、地中海沿いを走る鉄道に乗ってみたかったので、テルアヴィヴの北側の街、ハイファまで鉄道で行き、そこからバスでナザレに向かうことにする。

鉄道駅につくと、ホームにはカーキ色の軍服を着た若者がわんさか。みんなライフル銃を持っている。こんなにたくさんのライフル見ることって今までなかったなあ・・・となんとも言えん気持ちになりつつ列車を待つ。

Ben Gurion Airport駅
Ben Gurion Airport駅  列車はほぼ定刻通り到着。
イスラエル鉄道車内
車内はテーブルもあり、USBのコンセントもある。

ハイファには何か所か駅はあるが、バス停がわかりやすそうなハイファ中央駅で降りる。駅を出ると、正面に駐車場があり、すぐにバス停が見つかる。乗ろうとしている332番のバスが止まっている。しばらくすると運転手が来てドアが開いた。

Haifa Center HaShmona railway station
ハイファ中央駅  Haifa Center HaShmona railway station

運転手さんに、英語が伝わりにくい。辛うじてナザレ旧市街に行きたいとわかってもらえたものの、運転手さんは、別のバス停から出ている331番に乗ったら、一本で旧市街地行けるという。しかし宿泊先の最寄のバス停は旧市街の北側で離れているのだ。その最寄のバス停の名前を運転手に言うが伝わらないし、Googleマップのバス停の名前を見せても英語表記なので分かってもらえない。ヘブライ語表記だと伝わるんだが、それだとこちらが分からない。とにかく地図のルートを見せて、ここで乗り換えるし大丈夫!と何とか乗せてもらう。

スーツケースの荷物をバス下部にあるトランクに入れ、Rav-Kavカードで料金を支払っていると、午前11時、サイレンの音。今日は戦没者追悼記念日、ここで交通がストップし、しばし黙祷の時間なのだ。こんな時間に支払いしてもらって申し訳ないと思いつつ、しかしドライバーはあまり気にしていない様子。

バスは走りだす。Googleマップで道のりを追っていると、途中で乗客の一部が降ろされた。何かもめてるようだがヘブライ語なのでさっぱりわからない。そしてバスは Googleマップ で指定されている路線から離れた道路を走っている。何があったのか?無事つくのか?

路線から離れるバス
Googleマップのバス路線図から外れていく。イィィィィーーー!

しばらくすると路線に戻った。ホっと安心していたら、途中で 運転手交代!新しい運転手に、降りる場所は意思表示できるとしても、私の荷物がトランクに入っているからトランク開けて!と通じるのだろうか・・・。あと一駅というところで前の座席のお姉さんに、「次のバス停で降りたいんだけど、トランクに荷物を積んでると運転手に伝えてくれるだろうか」とお願いしたら、ちゃんと伝えてくれて助かった。

無事降りて、乗り換えのバスを待つ。Googleマップには、あと何分で到着とライブ表示されるが、結局こない。

Netsrat South Junction
Netsrat South Junctionバス停にて、乗換のバスを待つ

ようやくバスが来て、無事宿泊先に一番近いバス停で降ろしてもらう。 さてここから宿へどうやっていくのか。Googleマップを見るが方角がつかめない。うーん?と悩んでいると、バス待ちのおっちゃんたちが道を教えてくれた。

ナザレで二泊する宿Miriam Guest Houseへの道は坂道。道がいろんな方向に交差しており迷いそうになりながらも近くまで到着。と思いきや、入り口がわからない。看板もないし…と戸惑っていると、建物の上から、だれかが手招きしている。無事到着!

「お水飲んでゆっくりしてね。今部屋を準備してるから」と宿の女主人。一生懸命掃除をしてピカピカにしてくれてはる。支払いは現地で現金。Booking.comはホテルや大型ホステル以外の施設は現地で現金払いが多い。宿泊費を支払い、チェックインよりも早い時間だけど「準備ができたよ」と部屋に通してくれた。

Miriam Guest House
Miriam Guest House のシングルルーム

階段を上がると、とてもかわいらしい素敵なお部屋! とても清潔。 奥にアーチ型のニッチのような箇所が見える。1800年代の建物を30年前に増築し、最近改装したのだそうだ。

Miriam Guest House 窓から望む旧市街

窓からは受胎告知教会の特徴的な屋根とナザレの街並みが見える。お風呂とトイレは部屋から出て階段を降りたところにあるが、この部屋専用のバストイレで、とにかく清潔!部屋でゆっくりしたいところやが、さっそく出かけることに。

バス停に向かって坂道を降りていると、レストランの前に車が停まっていた。ドアが開き、何も考えずに通り過ぎようとすると、運転席側にいるお姉さんが、

「ちょっと、あんた、手伝ってあげて!」

と言うてきた。後部座席におばあちゃんがいる。 おばあちゃんが車を降りるので手を貸してあげてってことだった。「もちろん喜んで!」と手を差し出した。おばあちゃんは、「ありがとう、ありがとう」と感謝してくれた。わしゃ特に何もしてないねんけど。

旧市街地は明日一日回ることにし、今日の午後はバスで近郊のカナという街に出かける。先ほど降りたバス停でしばらく待っていると、カナ方面に行くバスが来た。乗り込もうとしたら高校生くらいの男の子が横入り。するともう一人の男の子が注意している。「こいつデッカイ犬だから、ごめんね」と。ええんやで。。。

通りすがりのモロ異国人に、こうして普通に声を掛けてくれるという壁のなさ。パキスタンとの壁問題が大きくなっているが、個人的には壁がない人が多いと感じる。

バスに揺られついうとうと。。。乗り過ごしてはいけないので、必死で目を覚まそうとするが、またうとうと。。。はっ!と目を覚ますと、斜め前の席にいる青年がこちらをを見ている。なんか悪いことをしたか?と寝ぼけ眼でビビっていると、何やら私に話しかけてくる。「日本人?」私のとなりに座っていた女の子を別の席に移動させて、隣に座って喋りつつける。ギリシャからきたという青年、自分の生い立ち話しをしている。「この辺で知り合いが美容室をしていて、タダでカットしてもらえるんだ。自分も切ってもらうか?」と。確かにバッサバサやけども、いやいや…今いらんわ。と丁重にお断り。そして彼は私と握手をし、エネルギッシュにバスを降りていった。

カナという場所でバスを降りる。Googleマップを頼りに、路地を歩いていくと、それらしき雰囲気。通りに面した塀に、聖書に登場する、イエス・キリストの最初の奇蹟「カナの婚礼」のお話しがずらずらと刻まれている。

この場所ではイエスの親族の結婚式があり、イエスも招かれていた。この時代、花婿は、結婚式の招待客に十分なふるまいをせねばならず、それができないのは、とんでもないことで、場合によっては罰金を支払わねばならないほどの失態になってしまうんだそうな。と、このような背景の中、イエスの母マリアが、「客にふるまうワインが足りなくなったのよ」とイエスに耳打ちをする。

ワインを切らしてしまうなんてえらいこっちゃぁ!

そこでイエスは、「あの水瓶に水をいっぱいにしなさい」と指示。お手伝いさんが水がめに水を満たすと、その水がワインに変わっていた。そしてそのワインがあまりにも美味しくて招待客は大喜び。新郎新婦も大失態を免れた。

カナの婚礼のシーン (ナザレの聖ガブリエル教会のフレスコ画)

これがイエス・キリストが起こした最初の奇蹟。そしてその結婚式がおこなわれたのがこのカナという場所。

カナのフランシスコ会修道院

フランシスコ会修道院の地下に降りると、水瓶がある。その美味しいワインぜひ飲んでみたいもんや。。。

カナのフランシスコ会修道院の水がめ

この周辺、通りを歩いている人は少ないのに、この修道院には、わんさか人がいる。みんなキリスト教聖地巡礼ツアーの団体客らしい。ひとりで訪れる人はいなさそう。

喧噪の修道院前をしばらく進むと、数件土産物屋が並んでおり、ここでザクロジュースをのむ。さっぱりした甘さで、ほっと落ち着く。

再びバスに乗り、宿に向かう帰り道。ひとつ手前のバス停で降り、めぼしをつけていた、イスラエル名物、ひよこまめのコロッケ、ファラフェルのお店FALAFEL WISAM JABALIへ。

日本では食べたことがあるが、本場では初めて。頼み方がさっぱりわからんので、となりにいた兄ちゃんが食べていたのを見て、これと同じもの!と頼む。

むはーっ!!!あっつあつのファラフェルサンドイッチ!

ファラフェルと野菜やピクルスをたっぷり挟んだピタパンのサンドイッチ。「ゴマのソースをかけてね」とのこと。うまい!

旧市街の中心からは少し離れているからか「どうしてここ見つけたの?」と不思議がる大将。「ネットで見つけたよ。評判が良かったから。さすが美味しい!」

「父が1970年からお店をはじめて、僕は二代目なんだ。以前は違う場所、旧市街方で営業していたけど、いまは場所を変えてね。大きな駐車場もそこにあるんだよ!」と大将。

お店の右手にはバスが何台もとめられるような大きな駐車場

お父さんから受け継いだ、あたたかい家族の味!おいしかった!ごちそうさま!

見知らぬ土地に来た緊張感もすっかり薄れ、宿に帰ると、あっという間に日が暮れる。ムスリムのお祈りの時間を知らせる、アザーンの声が街のモスクから響いてくる。そして窓から見える景色がゆっくりと夜景に代わり、眠りにつく。

▼このリンクからブッキングドットコムで予約すると、2000円のキャッシュバックが受けられます!