2018年の夏、私は36日間ヨーロッパは、イギリスからチェコ、スロバキア、バンガリー、ポーランドと旅していた。
何日かは友人の家に泊まっていたが、36日間ともなると、宿泊費がかさんでしまう。
できるだけ安いところに泊まろうと思い、ホステルの相部屋、ドミトリーにも泊まっていた。
この旅行が男女混合ドミトリー初体験。
女性専用ドミトリーより混合の方が安いのだ。
さすがに36日間の旅、少しずつでも旅費を押さえたい。
旅のスタートはロンドンから。
ピカデリーサーカスの近くのドミトリーに泊まった。
その当時イギリスは猛暑で、当然クーラーのない部屋。
8人部屋のドミトリー、ドアを開けると、スタンドの光が薄っすら灯るベッドに、男が腰かけていた。
「Hi!」
笑顔が素敵な青年であった。
しかしなんか部屋がくさい。
クーラーがなくて蒸し暑い部屋、扇風機が一つ置かれていた。
その扇風機に好青年が足をかざしている。
クサい思ったら、オマエかいっ!!!
その扇風機から、足の香りをお部屋一面にまき散らしていたのだ。
怒りを押さえつつ、部屋を出て、たまたまロンドンまで来てくれた友人のリズと呑みに行った。
・・・いや、そんなクサイ話しやなくて、怖い話しや。
イギリスに7日間滞在した後、マンチェスタから、中欧を回るためチェコのプラハに飛んだ。
中欧初日、プラハ中央駅近くのドミトリーを予約していた。
ロンドンの足臭地獄ドミトリーは、8人部屋1泊3730円でクーラーなし。
プラハのドミトリーは、6人部屋1泊2943円で、クーラーがあり涼しく、ベッドも2段ベッドではなく、それぞれのベッドの間にちゃんとスペースがある。
さらにロフトがあって、そちらにはベッドが二つ、間隔をあけて置かれている。
私が予約したのは、そのロフトの上のベッド。
自分の周りに十分スペースがあって、荷物も広げられるし、かなり快適、これは全然あり!
ドミトリーは部屋の外にシャワールームがある場合が多いが、ここは部屋の中にシャワーとトイレある。
何より足クサ人間もいない。
チェックインが遅い時間になってしまったんで、寝ている人もいそうだから、起こさないようにこっそりと入室し荷物を置き、落ち着いたところで、ロフトの下にあるトイレに行こうと降りていくと、丁度同じ部屋の男とすれ違った。
インドから来たというその男は、とても愛想が良く、挨拶をして握手をしたあと、部屋の使い方など色々教えてくれた。
そして次の日の朝、他の人も使うので、シャワーに入るタイミングが難しいなあと思いつつベッドでウダウダしながらシャワー待ちをしていた。
みんな部屋を出ていったようで、いまならゆっくりシャワーを浴びれると思い、ロフトを降りた。
なんかガザガザ言う音が聞こえてたので、誰か起きてるのかな?と思っていると、昨日のインドの好青年が、まだ寝ていた。
「まだ寝てるんや・・・」
と思いつつ、静かにシャワーのドアを開けて入った。
5畳くらいありそうな広めのシャワールーム、とりあえずトイレ、と思って、ぼんやり便器に座っていると、洗面台にスマホが置いてあるなあ・・・と思っていた。
洗面台には6人分のコップが置いてあり、そのコップとともに、スマホがたてかけられておかれている。
なんか不自然な置き方だ。
スマホの裏面のレンズが、ちょうど対角線上にあるシャワーブースに向いている。
そしてそのシャワーの区画には扉がない。
えぇ・・・とこれって、ひょっとしてなんかヤバイ?
その時丁度ロッカーに入れようと思っていたノートPCを持っていたので、念のため、PCにカメラがついているから、これで写真を撮っておいた方がいいかも・・・とPCのケースを開けてガサガサしていたら、ドアを激しくノックする音。
「スマホを忘れた!チェックアウトするのに、時間がわからないので困る!」
とりあえずドアを開けると、と、昨日は愛想よかったのに何か怖い表情。
彼は先にシャワーを使わせてくれと言う。
部屋にはそのインド人以外誰もいない。
私はさすがに怖かったので、しばらく部屋から出ていた。
その後フロントに行ってスタッフに事情を説明し。
フロントの人も、「それは怖いよね。。。」と。
「その彼が本当に洗面所にスマホを忘れていっただけなら、失礼かもしれないから追求するわけにはいかない。ただスマホが平置きしてあるならわかるんだが、コップに紛れるように立てかけてあったことと、カメラのレンズ側がシャワーブースに向いてたのがなあ」
その人が、まだその部屋に宿泊し続けているか尋ねたら、もうチェックアウトしているとのこと。
真相は明らかではないが、スマホで盗撮、アプリで遠隔操作できるからなあ。。。
日本人って見かけで、ホンマ歳わからんから。。。
しかし見てもしゃあないやろ・・・と思うが、撮るなよと。
混合ドミトリーの部屋付きシャワーは、とりあえずお気をつけください。
足クサ人間の方がもっと恐怖かもしれんが。。。