イスラエル⑫南端のリゾート地エイラット【恐怖の暗闇とベッドバグ】

イスラエル12日目は、スピリチュアル聖地ミツペーラーモンから紅海に接するリゾート地、エイラットへ、エイいやこラットバス移動。美しい紅海に度肝を抜かれ、深夜にはヤツらに度肝を抜かれる!

まぁそれまでは平和な一日だったわけだ。早朝5:30、今日もラモーンクレーターの朝日を拝みに、ビジターセンターへ。

GoProで日の出のビデオを撮影しながら太陽を拝む。

お日様が顔を出した。

今ここに自分がいられることに感謝。太陽や地球にあるあらゆるものおかげで生きていることに感謝。

太陽を拝んでいる自分。やっぱり自分は日本人なんやなぁ…と思ってしまう。

宿に戻って朝ごはんだ。アイベックスさんたちも朝ごはんだ。

半額のパンとオムレツ…というより卵のカタマリと、ヨーグルトで朝食。

宿主うさぎたんの餌を補充し水を替え、次の目的地、エイラット行きのバス停へと向かう。

2泊泊まった アパートメント 「開拓荘」

調べたところ、ここがエイラット行きのバス停のはず。。。

なんも書いとらんがなっ!

たまたまバス停にいたおっちゃんに、「このバス停はエイラット行きのバス停?」と確認したら、間違いないとのことで、安心した。

20分ほど待ちバスが来た。通りは人気がないのに、バスの中はイスラエル防衛軍の兵士の皆さんで満席状態。空いている席なし。カーキ色でないのわたしと先程のおっちゃんのみ。

ミツペーラモーンからエイラットまでの沙漠を抜ける道のりは、軍事施設がぞくぞくと続いている。各キャンプで兵士さんが降りていくのですぐに座席に座れた。みんな安息日でお家に帰ってたんやな。

バスはいくつもの軍のキャンプ地で停車し、風光明媚な岩山を抜け、いよいよ青い紅海が見える。

終点のエイラットにつく頃には乗客は数人になっていた。

2時間半ほどでバスは終点のエイラットバスステーションに到着。宿にチェックインする前に、明後日行く、エイラットからテルアヴィヴ行きのチケットを買っておかねば。

バッテンマークのエゲッドバスのチケット入手。これで明後日の移動も安心だ。

さて今から宿に行って荷物を置いていきたい。 Airbnbでバス停から5分ほどの場所にある宿を予約していた。

13:00、ありがたいことに早めのチェックインに対応してくれたので、エイラットセントラルバスステーションから宿に向かう。

宿は普通の民家の裏側を改装した宿泊施設。なので入口がどうしても見つからない。オーナーにメッセージを送ると、オーナーの母が家から出てきて中に入れてくれた。

その時オーナーは仕事中で、オーナーの母しかいなかった。彼女は英語が話せないため、彼女は自分の電話を私に手渡し、オーナー本人と話しをさせた。そこでオーナーと電話を通じて、キッチンや給湯など各設備、鍵の管理など説明を受けた。

とてもキレイな部屋。真っ白い壁にダブルベッド、テーブルと椅子2脚、専用の入り口、キッチン、冷蔵庫、ポット、コーヒー・紅茶などの飲み物、シャワーとトイレも専用、エアコンもあるし、清潔で何不自由ない宿。ビーチまでは歩くとちょっと遠いがバスターミナルも近い。しかも安かった!この値段でここまでの設備のところは珍しい。

と、喜んでおったのだが、このあと、いろいろトラブルがあったわけだが、そんなこともつゆ知らず、よしおちゃんは浮かれて出かけていった。

スーパーの場所など確認しながらビーチへ向かう。しかしあまりの暑さで、ビーチに着くまでにしばし休憩。我らがcofix、アイスコーヒーという名のコーヒーシェイクを頂きながら青い海を眺める。

冷てーーー!これがうまいねん

そして引き続きビーチまで歩きだす。ヤシの木やら魚のオブジェやら、めちゃくちゃリゾートな雰囲気になってきた。

紅海到着っ!青っ!

イスラエルに来て地中海、死海、そして紅海、三つ目の海だ。やっとここまでたどり着いた。

なんですのん?

水の透明度が高い。船の底がガラスになった観光ボートがあるハズなので乗り場を探しに行く。

遊園地のような施設のあたりに、グラスボートのカウンターがあったのだが、結局出航時間は終了していた。「明日おいで」と言われるが、明日はペトラ遺跡に行くのよな。

プライベートボートもあったのだが、一人で乗るにはちと高すぎる。それなら、この海を見ながら潮風を頬に受け、裸足でかけながら生ビールだろ。

と、生ビールを販売しているところを探すのだが、どこも瓶ビールしか売ってないのよ。があああ!なんでやねん!

エイラット観光案内所があるので尋ねてみよう!係員のおじさんは、私が日本人とわかると、えらいフレンドリーに話してくれた。日本に来たことがあるんだそうな。しかし生ビールよ。生。海には生よ。

よしおちゃん:「ここは生ビール売ってへんの?」
おじさん:「ビーチの方に行ったらあるよ」
よしおちゃん:「見たけどないねん。。。」
おじさん:「まだ時期じゃないからかなあ」

5月、十分暑いのだが、ビーチの人気はまばら。みんな7月8月に来るのかな。

と、もうあきらめて瓶ビールを買おうかと思いつつ、ビーチ沿いの小屋の向こうに入ると・・・。

あるやんかっ!

わーい!生ビールだ!しかしこの小さなカップで27シェケル。約837円。

ビーチやビーチ!ここで「ぷはーっ!」とな!

ぐおおおお!呑むでぇ~!!!

と、席に着くと、左手から声が。 「こっちで一緒に飲もうよ」

と声を掛けてきたエフィさん「私の息子たちだ」

なんか人種が全然ちゃうような・・・。う~ん。。。

まあ、よくよく話しを聞くと、単にここで知り合った若者と一緒に飲んでいたののだと。エフィさんから言うと息子ぐらいの年齢だから「息子だ」って言ってたのだ。

エフィさんはモロッコ系のユダヤ人。テルアヴィヴに住んでいて、仕事でここまできたのでビーチで飲んでいたと。

「イスラエルのピクルス、美味しいよ」と分けてくれた。

エフィさん:「テルアヴィヴでね、ユーロヴィジョンてコンサートがあってね、その特別仕様のコーラなんだ。あげるよ」

ちょうどこの時テルアビブにてユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されていた。元々ヨーロッパの音楽祭なのだが、ヨーロッパでない国もこの大会に参加している。モロッコ、トルコ、アゼルバイジャンなども参加していて、イスラエルも1973年から参加している。

国が持ち回りで毎年開催しているのだが、2019年はイスラエル、テルアビブでの開催だったのだ。

この大会、私個人的には芸風がバラバラなのであまり興味はないのだが、一番エキサイティングと思ったのは、1979年にイスラエルはエルサレムで開催されたユーロヴィジョン、西ドイツ代表Dschinghis Khanのトラウマ級パフォーマンスだ。

でもね、優勝どころか次点にもなってないんだ、これが。この時の優勝はイスラエルのGali Atari & Milk & Honeyなんだよな。

単に好みの問題やねんけどもな。

そして頭の中ではひそかに「ウッハウッハ」とジンギスカンが鳴りやまない中、2杯目。1杯目は小さいカップだったので、今度は大き目にした。32シェケル、約992円。

「場所代や…」と涙と共に、ビールを呑む。

そしてここで酔っ払いセクシーダンサー乱入。

フィーバー!
UFO!
ダンサーにまったく気にも留めない若者たち。

この若者たち、兵役を終えて、しばしの休暇を楽しんでいるんだそうな。

イスラエルでは徴兵制度があり。イスラエルに住むユダヤ人と、イスラム教ドゥルーズ教徒は18歳から兵役が課されイスラエル国防軍に入る。その他のムスリムや、クリスチャンアラブは兵役義務がない。しかしユダヤでも超正統派はユダヤ教を学ばねばならぬという理由、また信仰上の考えもあり今のところ兵役免除されている。

そこでここに兵役を終えた若者がいる訳だ。

兄ちゃんA:「兵役を終えて、国から1000シェケルももらえるんだよ。就職前に遊んでるのさ。この後ホテルに就職するんだ」

1000シェケルっておよそ31万円だ。3年8か月の兵役でだ。3年8か月で31万、命のリスクがあるのに、これって少なすぎないか?と思うのだが、彼は嬉しそうにそう話すのだ。

よしおちゃん:「怖くないの?死ぬかもしれんやん」

兄ちゃんA:「全く怖くないよ。国を護らないといけないからね」

兄ちゃんB:「僕の友達は死んだよ。テロに遭ってね」

兄ちゃんAは「涼んでくる」と海に飛び込んでいった。

なんとも衝撃なのは、国を護るのが当たり前と思うこと。その為に戦争をすることをもいとわないこと。

お金の問題じゃない、国を護るためだから、金額が問題ではないんだ。お金が欲しくて軍に入るという考えだったら、誰も志願しないよな。。。

31万円が安いと思う自分が恥ずかしい。

日本は植民地になったり、国民が迫害されて日本から追放されたり、自分の国を失ったことがない。自分が産まれた環境と違い過ぎるから、比べることもできないし、何が正しいのかも分からない。

そうこう話しているうちに、手作りの飴を売る飴売りの女性が来た。いかにも貧困状態に見える女性だった。イフィは自分は食べないのに飴を買ってあげて、私にくれた。

そしてセクシーダンサー、飴ちゃんを持って復活。

舞踊「飴の舞」を披露

そして生ビール3杯目を飲んでいると、何やら店の主人が、別のテーブル席にいた若い男性二人に対してエライ権幕で怒鳴っている。

よしおちゃん:「何があったの?」

エフィ:「あの子たち、マリファナ吸ってるから、店の主人が、ここで吸うな!って怒ってるんだよ」

エフィはその男の子たちに声を掛け、火のついたタバコのようなものを手渡してもらった。

エフィ:「吸ってみ。大丈夫だから」

よしおちゃん:「いや、マジでいらん」

エフィ:「体に悪くないよ。中毒にもならないし。ただリラックスするよ」

よしおちゃん:「ここってマリファナは合法なの?」

エフィ:「いいや、合法じゃないよ。日本もそうだろ?合法じゃないけど吸ってるだろ?」

よしおちゃん:「まあ、そういう人もいるだろうが。。。でも私は本当にいらないから」

若者A:「ほら、僕を見てごらんよ。なんともないよ。ね、普通だろう?」

と、その吸い殻のようなものを吸って平然としている。

これに関しては知っておいて得するモンでもない。今後法が変わって健康上有意義であれば必要になることもあるかもしれんが、今は経験する必要はない。

日本が好きという、エフィの友人もスマホで参加。知らん人が集まって、いつでもコミュニティができあがる。

若者A&Bは帰っていき、エフィは、「クライアントの店に食事に行くから一緒に行こう」と誘ってくれたが、「明日早いし、あと、もう少しここでゆっくりしたい」と丁重にお断りする。

そして一人になり、日が沈むまで居座る。西岸はオレンジに。

そして東岸を見て、ターコイズブルーの海なのに、ここが紅海という名である意味を目の当たりにする。

ぼちぼち帰ろう。エフィが「ここは免税エリアなんだ」と言っていた。だからこういうお店が並んでいるんだな。

ふと先ほど赤くなっていた山の稜線を見るとうっすら光っている。

月の出だ。

ほんま、毎日キレイな月だなぁ。

さて、おなかすいた。

21:00過ぎ、宿に帰ってクーラーをつけて部屋を涼しくして、夕食の支度。余りの食材でトマトのパスタを作ろうと、電気コンロでお湯を沸かす。

この部屋は給湯用のボタンがあって、シャワーを使う10分くらい前に、ボタンを押してタンクにお湯を溜めるシステムになっている。なのでご飯を食べたらすぐにシャワーを浴びれるよう給湯ボタンを押した。すると・・・

「パンッ!」

嗚呼!まっくらや!

・・・エアコンと給湯とコンロの同時遣いはNGだったか・・・。

慌てて宿のオーナーに「停電になった!何にも見えないの。助けて」と、メッセージを送る。

真っ暗な中、絶望しておったら、たまたま友人で英国在住ブルガリア人のイヴォくんから「イスラエルはどう?」とメッセージが来た。

「エアコンと給湯とパスタを調理しようと思ったら停電になった」と伝えると、イヴォくん、

「北朝鮮かえっ!」

というお返事。

暗闇の中、笑えたおかげで少し気が晴れた。

しばらくすると、宿主がメッセージを返信してくれて、電気復旧。よかった。。。

とりあえず調理再開。こちらの宿には調理器具はあるものの、調味料がなかった。しかしトマトのペーストがあったので丁度その油がええ具合絡んでくれた。さくっと食事を済ませてシャワーを浴びる。

遅くなってしまった。。。明日は早い。早く寝なければと、布団をめくると何やら黒い点が・・・。

動いている。。。

ひとつじゃなくて、いっぱい。。。

これって・・・

これがあのベッドバグってやつか???

どうしよう・・・。

暑い地域だから、多少の虫がいても当たり前かもしれん。我慢すべきか・・・しかもベッドバグは聞いたことがあっても見たことがないので、これが本当にベッドバグなのかどうかもわからない。もしそうであれば、ここで寝れば確実に噛まれる。

ググって写真を確認すると、間違いなかった。

ベッドバグとは日本語でトコジラミというもので、昔は日本にもいたそうだが、現在はほとんど目にすることがなくなったんだそう。

しかし海外のホテル予約サイトの口コミなどを見ていると、悪い評価でよくこの言葉が出てくる「bedbugs!」

こいつに噛まれると、とんでもなく痒くなって、それが何週間も続くらしい。

イヤだ!イヤだ!

その時もう既に3時、宿の主人にメッセージを送っても見てもらえないだろうし、民家で1室だけしか貸していないから部屋を変えてもらうわけにもいかない。

最初はティッシュで取って、トイレに流していたのだが、取っても取っても出てくる。潰すと潰すときに刺さるかもしれないから良くないとのことで、ガムテープでペタペタとり続ける。

限界や。。。

寝ないとしんどい。もうダメ元で、店の主人にメッセージを送る。

20分後、返信があった。

「今メッセージを見たんだけど、まだ起きてる?部屋に入っていいかしら?」

宿主は隣接する母屋に住んでいて、別のドアから部屋入ってきた。そして状況を伝え、虫がわいている様子も確認してもらった。

宿主は姉弟の二人がおり、その姉の方が母親と、母屋に住んでいた。彼女は別の仕事があるので夜以外はここに居ない。起こしてしまって申し訳ないのだが、でももう無理。

彼女はとにかく驚いていて、彼女にとっても初めてのことで、信じられない様子だった。

彼女は「私が来る前に、1週間くらい男性が泊まっていて、その彼は何も言わなかったのに」という。

いや、その時はまだ虫が孵化してなかったんだろう。

彼女もぞっとした様子。腕に鳥肌が立っていた。それを見て、彼女が初めてこの部屋にベッドバグを見たということが分かった。

このことを全く責めるつもりもないし、たまたま起こってしまったことだし、またここに次の宿泊者が来るころは対処されているだろう。

宿泊サイトの口コミで見る「ベッドバグがっ!」という悪評コメントは、否応なしに起こってしまうのだ。

なのでホテルのベッドバグの対策としては、チェックインしたらすぐにベッドをチェックすること、マクラの下や、シーツの中を確認して、黒点や血の染みのあとがないか確認することだ。

すぐに退治できる訳ではないので、早めに確認して、見つけてしまっても早い時間であれば他の部屋に移るなり、宿を変えるなり対応できる。

夜中になったらどうしようもないっちゅうことだ。。。

しかしこちらのおうち、実は母屋の方に、友人が来た時に泊まれるように、部屋が一つあるとのこと。そこで良いなら寝られるからと。

・・・悩んでいる間に早く連絡すればよかった。。。

荷物をまとめ、母屋の二階の部屋へ。次の日はヨルダンのペトラ遺跡ツアーに参加する為、早く起きねばならん。この頃はもう朝の4時ごろ。少しでも寝てツアーに備える。