冬のロシア⑨モスクワ大学に驚愕、ロシア風サウナとヒンカリで至福

1月17日、真冬のロシア一人旅9日目、モスクワ3日目、今日の予定は、アルバート通りから、モスクワ大学でスターリン建築を見学、ノヴォデヴィチ女子修道院を訪れ、ロシア風サウナのサンドゥーニ、そして夕食は、地元民オススメのグルジア料理「ヒンカリ」が食べられるVai Me!へ。


朝は日が昇るのが遅いんで、相変わらずのんびり、10:00に宿を出る。

宿の前の通りには雪は積もっていないが、小道は日陰になるので、雪が残っている。おそるおそる歩きながら宿から歩いて15分程度のところにあるアルバート通り へと向かう。

アルバート通りは、モスクワでも最も古い歴史ある通りのひとつ。通りは15世紀頃からあったと言われ、18世紀頃には貴族たちの邸宅が並び、その後は作家や芸術家、そしてソビエト時代は高級役人が住んでいた。歩行者天国となったのは、ソビエト時代で、その後ペレストロイカの頃には、社会主義に閉塞感を抱く若者たちが集まる場所となった。

現在はモスクワの繁華街として、お土産屋さんやレストランなどが並び、観光客で賑わうようになった。

・・・とのことだが、この季節、ガラガラやし。

お土産屋には、高級役人・・・てか、政治家が並んでおり・・・。

左からレーニン、スターリン、習近平、トランプ

この4人は実物大なのかどうか、検証した。

トランプ: 身長190cm
習金平:180cm
スターリン:165cm
レーニン:165cm

う~ん、ロシア側をちょっとカサ上げしてるかも。

習近平180cmもあるんだ。しかしレーニン顔が小さいからスタイルよく見えるね。

このカオスな建物は、ゲナツヴァレ・ナ・アルバテ、お高めのグルジア料理のレストランだそう。建物が面白い。

ヨーロッパ的なアートな通り。暖かい季節でもっと人が多ければイメージは違っていたかも。

この通りはスタバやコスタコーヒーなど外資系飲食店がたくさん。これは?

アメリカのダンキンドーナツ もう日本にはないなあ・・・

そしてこちらも関西には店舗がないが、私の大好きなお店が。。。これを朝ごはんとしよう。

シナボンですわ。

関西人には今や懐かしいシナボン。東京や海外で見かけると無性に食べたくなる。

う~ん・・・こんなんやったっけ・・・。

この店舗、アメリカのシナボンと、フィンランドのヘスバーガーと、以前は日本にもたくさんお店があったアメリカのプリッツェルの店のアンティ・アンズと、アメリカのGodfather's Pizzaの複合店だった。

結論。ロシアに来たなら、ロシアのモンを食べたほうが幸せ。

とはいうものの、数十年前は、こういった外資系の店は、この国の人々にとってワクワクもんだったんだろう。

今私がロシアらしいものにワクワクするように。

ミーシャとレーニンとスターリンが並ぶ 土産モノ屋

一方こちらはスターリン批判でも注目された、詩人、歌手、小説家のブラート・オクジャワの像。

ブラート・オクジャワ像

アルバート通りから一本南、この像から近いところに、面白いロシア建築がある。

この円柱形の建物は、20世紀初頭のロシア構成主義の建築家でアバンギャルドの巨匠、コンスタンチンメーリニコフの自邸。メーリニコフ自身の設計で1929年に建てられた。メーリニコフは日本を含む世界の建築家にも多大な影響を与えている。

メーリニコフ邸

外壁は煉瓦造り、中の造りは写真の通り、めちゃくちゃ面白い。こんなとこ住んでみたい。。。

メーリニコフ邸内部の模型
メーリニコフ邸の玄関

このブルーの建物は、ロシアの偉大な詩人、作家プーシキン(1799‐1837)がナターリア・ゴンチャロワと新婚時代に住んでいた場所。

Pushkin Memorial Apartments 奥の高層ビルは外務省
アレクサンドル・プーシキンとナターリア・ゴンチャロワ

そしてアルバート通りの終点にある、スモレンスカヤ駅から、メトロに乗ってモスクワ大学へと向かう。

メトロの切符

スモレンスカヤ駅からメトロ4号線で一旦アルバーツカヤ駅まで戻り、そこから1号線でモスクワ大学方面に行く。

アルバツカヤ駅

このアルバツカヤ駅でマンドリンや、バイオリンなど、クラシックの演奏をしている奏者を見かける。

実はこのドーム型の地下鉄連絡通路は、電気や機材を使わない最強の音響システムなのだ。音の響きが素晴らしく、かなり広い範囲まで、音がやわらかく響き渡りそれはそれは感動する。いや、それよりも、ここロシアに来て思ったのが、ジャンル問わず、演奏者のレベルが、びっくりするくらい高いこと。今この場所で演奏しているのが ありえへん人たちが演奏している。スカウトしようかしら。

メトロ1号線のウニヴェルシチェト駅下車。ここでコーヒー一杯いただき、モスクワ大学へ向かう。

目の前に見えるのがボリショイ・モスクワ国立サーカス。ロシアにはたくさんのサーカスがあったが、ソビエト時代、1919年に国営化されている。ちなみに日本に来るボリショイーサーカスは、ロシアのサーカス団が海外公演のときに名乗っているブランド名で、このボリショイ・モスクワ国立サーカスとは直接関係がないそう。

ボリショイ・モスクワ国立サーカス

ちょっと中心から離れると、雪の厚みが違う。

モスクワ大学が見えてきた。

モスクワ大学正面に到着。この建物は、1955年に完成したスターリン・クラシック最大の建築物。高さ236メートル。とにかく美しい。素晴らしい。

私がスターリン建築を初めて見たのはワルシャワの文化科学宮殿だった。あまりの迫力にぶったまげた。しかし私の友人のポーランド人はその文化科学宮殿を嫌っていた。というのも、ワルシャワの文化科学宮殿は、「スターリンの贈り物」という形でソビエトが建設したもので、ポーランドにとっては「ソビエト支配の象徴」なのだ。

とはいうものの、ほんまにすごいねん。。。

少し遠く離れて建築を見渡そうとすると。雪が舞い、モスクワ大学の建物の全景がうっすらとしてきた。

ふとタブレットを見ると・・・。

リアル雪の結晶だ!

まっすぐ雀が丘へと歩いていく。雀が丘は、モスクワ川の南岸に広がる丘陵地帯。ソ連時代はレーニン丘と呼ばれていたが、1999年に旧称に雀が丘にもどった。トルストイの「戦争と平和」にも登場する場所。モスクワ市街を一望できる展望所なのだ!

嗚呼!白すぎて何も見えん。。。あの白い平べったいのはルジニキ・スタジアムスタジアム、2018 FIFAワールドカップも行われたとこだそうな。

雀が丘

後ろを振り返ると、遠くにモスクワ大学がぼーーーーっと見える。

あ、うっとうしいヤツが来た・・・。来んな!

こっち来んなっ!!!

あああ!うっとうしい!わしゃディズニーには興味ないんじゃ!しかもニイハオちゃうんじゃ!

ニイハオ ニイハオ (ちなみにこれGoProビデオで映ってた映像です)

「写真撮ろうよ~」というミッキーに、「マジで興味ない!」と断ると、「たったの〇〇ルーブルだよ~いいじゃん~」とのたまうミッキー。ワレ夢こわしまくりやんけ。

と、しばらくするとC国のツアー団体客が、バスからゾロゾロにぎやかに降りてきた。

よしおちゃん:「あんた、今こそ仕事の時間やで。」

ミッキー:「あの人たち何人?」

よしおちゃん:「C国人や。日本人よりずっと金持ってるぞ。」

ミッキー:「そうなんだ・・・」

C国団体の前で立ちすくみ、じ~っと見ているだけのミッキー。
おい、声かけろよ。。。

おい。がんばれよ。

。。。

さっきの馴れ馴れしさはどこへいったんや。C国の団体パワーに圧倒されている様子。ちと可哀そうになった。写真はマジいらんから、お金だけでもあげるべきだったかもしれん。

そしてメトロへと向かう。多分ここは道だと思う。

帰りはヴォロビヨーヴイ・ゴールィ駅からメトロ1号線にのる。

こんなところにほんまにメトロ駅が!

次の目的地は、ノヴォデヴィチ女子修道院。ヴォロビヨーヴイ・ゴールィ駅から2駅目のスポルチーヴナヤ駅で降りる。

地上に上がると、なんだかいいにおい。。。売店に行列ができていた。ケバブだ!うまそー!

注文の仕方がさっぱりわからんので、人が注文しているのを「アレアレ」と指さして伝える。それはケバブのラップサンドで、中に具をたっぷり入れてくれる。

兄ちゃんが、何の具を入れるか聞いてくれる。

兄ちゃん:「ヤンソン?ヤンソン?」

よしおちゃん:「いえぇす、いえぇす!」

どっさり具入りのほかほかのケバブラップサンド。うまい!やっぱヤンソンだよね~っ!

で、「ヤンソン」ってなんやねん。

。。。

お腹いっぱいで、引き続き修道院への道を歩く。さくさくした新雪の多い道だったので、油断していた。歩道の一部が踏み固められ氷になっていた。

つるん。

あああ!また尻もち!

「だああ!いったぁあ!」

と、マジ痛過ぎて、思わず叫ぶ。

ロシア初日に二回コケ、ブーツを新調し、すべらなくなったと喜んでいたのだが、油断してもうた。。。

ああ、やっとケツ痛いの治ってきたのに。。。

ほうほうの体で、ノヴォデヴィチ女子修道院に到着。

ノヴォデヴィチ女子修道院

モスクワ大公・ヴァシーリー3世の命にて1524年創建。ロシア連邦の西方の都市であるスモレンスクが1514年にモスクワ大公国に併合されたことを記念して建てられた。しかしこの時、ほとんどの建物が修復中。

ノヴォデヴィチ女子修道院

ノヴォデヴィチ女子修道院

城壁の外には湖があり、チャイコフスキーが湖の周囲を散策しながら白鳥の湖の構想を練ったそうだ。結局どこが湖かわからんかったけども。

スポルチーヴナヤ駅に戻り、そこからメトロ1号線で、中心地方面、ルビャンカ駅へ。ルビャンカ駅には現在はロシア連邦保安庁があり、かつてはKGB(ソ連国家保安委員会)の本部があった。

またルビャンカ駅には、ジェーツキー ミール(Центральный Детский Магазин)、子供のための百貨店がある。

ルビャンカ駅のジェーツキー ミール(子供の世界)

どんなんかな、と、ちらっと寄ってみたが、我らがモンチッチがおった。昔プーチンがKGBにおったときにもこのモンチッチを愛でたのだろうか。

ロシアにはミッキーはいても、ディズニーストアはないだろうと思い込んでいたが・・・ちゃんとあるがな。

そろそろ夜が近づいてきた。宿泊している宿はシャワーのみで、そろそろひと汗かきたいところ。ロシア風サウナを体験しよう!

子供の百貨店から歩いて10分ほどのところにサウナ「サンドゥヌィニ」がある。

サンドゥヌィニ浴場(バーニャ)女性用の入り口

1808年に設立されたサウナ。現在の建物は19世紀末の歴史価値の高い建物。

入口で受付を済ませ、クロークでコートを預け、内部へ。

スチームサウナなのだが、中に入ろうとすると、係の人が、「前かがみになって頭を低くするように」と言う。サウナ室のドアの向こうには、木製のデッキがあり、そのフロアは高い位置にある。そこでみんな座ったり寝そべったりしている。階段を上がろうとすると、サウナに座っていたお姉さんが、私に頭を下げるようなジェスチャーを見せる。高い位置の空気がめっちゃくちゃ熱いのだ。息を吸うと、鼻がやけどしそうな感じ。びっくりして屈みながら中に入った。そういうことだったんだ。。。

係員の女性が、釜のようなものに水をかける。すると空気が一気に上昇する。しばらくすると休憩時間があり、その間、白樺の枝葉を束ねたものを使って、係員がうつ伏せで寝そべっている女性の体をバシバシ叩くサービスをしている。血行促進や、保温の効果があるんやそうな。

たっぷりのお湯でシャワーも浴びて、サウナも2回ほど入ってめっちゃすっきり。

サウナとシャワー室のとなりが休憩所で、みんなここで合間にお茶を飲んだりのんびりしている。隣に座っていたお姉さん3人組が、バスタオルを巻いて記念写真を撮ろうとしていたので、私が「撮ってあげるよ!」と撮影した。これはチャンス!と私もドサクサに紛れて、記念に写真を撮ってもろた。さすがにここでは写真は撮れないなあと思ってたので。。。実のところ私は既に服を着ておったのだが、姉さんたちはタオル巻きだったので、せっかくなので私もセーターを脱いで、タオル巻きで写真をとってもらった。やっぱサウナやし。

休憩室にて。しかしこれではサウナとはわからんな

3人組のおねえさんの内一人は、英語を話してくれた。漢方を扱うお医者さんだそうな。3回目行ってくる!とおねえさんたちはサウナに消えていった。結構ハードやぞ!

さて、夜ご飯。一昨日夜行列車で同じ部屋だった、ディマくんが教えてくれたお店が、歩いて20分ほどの場所。行ってみよう!

お店の名前は、「Vai Me!」 グルジア料理のお店。

お店の奥がカウンターになっていて、そこで料理を注文する。グルジアの小籠包 ヒンカリと、ナスの料理と、ビール。全部で440ルーブル(2019年1月約726円)安い!

皮をかじる。中のスープをチュウチュウ吸う。そして肉の具が入った本体にかぶりつく。

至福。。。!うまい。。うますぎ。。。

いや、まじでグルジア最高。ヒンカリ最高!

毎日ヒンカリ食べたい。ヒンカリ屋さんになりたい。グルジア・・・ジョージア・・・ヒンカリ・オン・マイ・マインド。

今日もライトアップがキレイやあ。明日のために早よ寝ますわ。

ほな、また明日!