冬のロシア⑩モスクワ~トロイツェセルギエフ大修道院&ぼっち誕生日

1月18日、真冬のロシア一人旅10日目、モスクワ4日目。今日の予定は、列車に乗ってモスクワ近郊、黄金の環、セルギエフ・ポサードという町のトロイツェセルギエフ大修道院に訪れる。そして今日はよしおちゃんの誕生日。なので、ぼっち誕生日会なのだ。

モスクワの近郊には、歴史的な建物、中世の面影を残す古都がモスクワを囲むように点在しており、その町は「黄金の環」と呼ばれている。これから行くところは、その黄金の環の中でも、モスクワから70kmと比較的近いところにある、セルギエフ・ポサードという場所。そこには13世紀に創建された、トロイツェ・セルギエフ大修道院(至聖三者聖セルギイ大修道院)がある。


8:20頃、宿を出て、メトロの駅へと歩く。今日のモスクワは、日の出が8:47なので、まだ空は少し薄暗い。

メトロのオホトニ・リャト駅から1号線に乗る。

メトロ1号線コムソモリスカヤ駅にて下車。ここでエレクトリーチカと呼ばれる近郊列車に乗るため、ヤロスラヴリ駅に入る。

このメトロのコムソモリスカヤ駅と、エレクトリーチカのヤロスラヴリ駅は路線も駅名も違うが、すぐそば。この辺りは鉄道のターミナルになっていて、他の路線のレニングラーツキー駅やカザンスキー駅もすぐそばにある。名前がそれぞれバラバラだからややこしいね。

有人窓口でチケットを購入する。窓口のの女性は英語を話さないが、Google翻訳対応で、何時何分発、何号線と、自分のスマホを見せて伝えてくれた。ありがとう。

レシートに見えるが、これがチケット
電光掲示板にも何番線か表示されている。

10番乗り場、9:35発と。ここやな。

ローカル感ハンパない雰囲気。車内では、車内販売が始まり、雑貨を売りに来る人が、順番ずつ入ってくる。販売員がドアを開けて車内に入ると、さっそく商品説明と思われる講釈が始まり、その後座席の間をモノを売りながら通り抜けていく。そして次の売り子が販売講釈。このパターンが4~5人続いていた。もちろんこの鉄道の社員ではない。

買う人おるんかなあ~と思っていたが、以外とおるねん。

10:52セルギエフ・ポサド駅着。ほぼ定刻通り。

駅からトロイツェ・セルギエフ大修道院までは1200メートル、徒歩15分強で着く。しかし雪道やから、わしゃもっと時間かかるけども。

しばらく歩いていると、道が開け、聖堂のたまねぎ群が見えてくる。

こちらには聖セルギイの姿。聖セルギイは、正教会・カトリック教会の聖人。特にロシア正教会で崇敬される。13世紀、より神に近づける平安の地を見つけるようにと、至聖三者聖セルギイ大修道院(トロイツェ・セルギエフ大修道院)をこの地に創設した。中世ロシアの最も偉大な宗教的精神的な指導者。

聖セルギイ 生誕700周年の像
まんまるのハト

川を超えると一旦大きな道路に出てくるが、すぐ右手に、これまた繊細な装飾のレストランがあり、このレストランを通り過ぎると右手に、この大きな道路をくぐるトンネルへ行ける階段があるので、そこから修道院側に渡れる。

つらら!

スヴャティエ・ヴラタ(聖なる門)が見えてきた。

スヴャティエ・ヴラタ(聖なる門)

門をくぐると、聖堂群はもう目の間。

ロシア正教の総本山、トロイツェ・セルギエフ大修道院。この町の名前セルギエフ・ポサードの「ポサード」とは城塞外の商工業者などの居住地域の意味。

セルギイの徳を慕って、たくさんの修道僧、寄付があつまり、ここにポサードが形成される。セルギイと弟子によって共住制修道生活の理念が伝道され、中央ロシアから北部ロシアに広まっていくのだ。

ウスペンスキー大聖堂
左:鐘楼 右:ウスペンスキー大聖堂
トロイツキー聖堂
左:ウスペンスキー大聖堂 右:使徒への聖神降臨聖堂
トラペズナヤ聖堂

ウスペンスキー大聖堂
製セルギイが安置されるトロイツキー聖堂

もう13:00、朝ごはんはお菓子しか食べてなかったな。トロイツェセルギエフ大修道院の中には、売店があり、パンやお菓子、コーヒーなども購入できる。

ピロシキと甘いパン二つで78ルーブル(2019年1月約129円)。 

パンを食べてたら雀が寄ってきた。

しばらくすると、青空が見えて光が差してきた。

セルギイは没後、聖人に列せられた。現在もセルギイの遺体はここトロイツキー聖堂(至聖三者大聖堂)に安置されている。

トロイツキー聖堂
鐘楼 高さ88メートル

26年の歳月をかけてイワン雷帝の命で建てられたのが、修道院内最大の大聖堂ウスペンスキー大聖堂(生神女就寝大聖堂)。1585年に完成した修道院内最大の大聖堂ウスペンスキー大聖堂(生神女就寝大聖堂)は、26年の歳月をかけてイワン雷帝の命で建てられたのが。モスクワのクレムリン内のウスペンスキーと同じ形状で造られている。

ウスペンスキー大聖堂

角度を変えてみると、違った趣、表情があり、ついつい写真を撮り過ぎてしまう。

ウスペンスキー大聖堂
 左:トロイツキー聖堂 右:使徒への聖神降臨聖堂
使徒への聖神降臨聖堂
トロイツキー聖堂
ウスペンスキー大聖堂
トラペズナヤ聖堂

歴代の皇帝は、戦いの前後に修道院に赴き、聖セルギイのイコンを手に戦場に向かった。皇帝らの崇敬を集める修道院には、皇后、高官などを迎えるための施設が建設された。それがここトラペズナヤ聖堂(聖セルギイの食堂)。

トラペズナヤ聖堂
トラペズナヤ聖堂
トラペズナヤ聖堂
トラペズナヤ聖堂

1917年のロシア革命で、ソビエト政権が宗教弾圧を行ったため、この修道院は1920年から1945年まで閉鎖。建築物や装飾品、イコンなど国有化され、文化財は破壊され、多くの貴重な文化遺産を失うことになる。ソ連崩壊後、修道院は復興し、1993年には世界遺産に登録されている。

引き続きモスクワへ帰る。時刻表の読みかたがさっぱりわからないのだが、どうやら次に来る列車は特急なので、追加料金が必要かも。

一旦チケットを購入していたのだが、窓口の係員に、特急に乗るなら追加料金が必要か確認したところ、やっぱそうだった。追加で56ルーブル支払う。気付いてよかった。。。

15:59セルギエフ・ポサード発

やっぱ特急はガラガラなのだ。この後車掌さんがチケットを確認しにきた。

экспресс ・・・えくすぷれす

17:08モスクワ着 。

特急いうても運転席は同じ

おお、この景色は見覚えあるぞ!サンクトペテルブルクから寝台列車を降りたとこだ!そうだ今の列車はヤロスラヴリ駅が終点だが、サンクトペテルブルクからの終点のレニングラーツキー駅も同じ場所とこの時気付く。


帰りはメトロ1号線に乗って、ルビャンカ駅で降り、ツム百貨店をちらっと物色。

店内はまあ普通の高級な百貨店なのだが、こちらの車の方が気になった。マセラッティ!レヴァンテディーゼル、4ケタ万円。乗ってみたい。。。

しかしマセラッティに乗るお金があれば、わしゃもっと世界を旅したい。なので堅実に節約や。

この後はスーパーで堅実にお買い物。もうすぐロシアの旅も終わりやから、ロシアの食べ物を見繕っておきたいところ。

メトロならオホトニ・リャト駅が近いスーパー、モイ・アシャン(Мой Ашан)へ。1階は食品で、2階はお酒、飲料、スナック菓子など売っている。品揃えはそれほど多くないが、7時30分~23時00分まで営業しているから便利。とりあえず何かおもろいお土産はないかとお菓子など購入。

夜ご飯は宿から数十メートルの場所、Apartment 44(Квартира 44)というお店へ。えらい大繁盛で、席はほとんど満席だった。

ビールグラスはフランスのビールの名前が書かれているが、中身はロシアの生ビール。Old Bobby Aleっちゅうサンクトペテルブルクの醸造会社バルチカのビール。

2杯目やけど

料理はガーリックがきいたブルスケッタ肉と野菜乗せ。

メインも肉。アツアツ鉄板焼き。スパイシーでビールがすすむ。

サックス、ピアノ、ベースの生演奏も入っていて、ええ雰囲気のお店。 

ビール二杯と料理2品で、合計1390ルーブル(2019年1月約2294円)。お得や。

お店の名前は、ネット上ではКвартира 44 (クヴァルティラ44)やら Apartment 44という記載もあり。入口が表に面してなくて、建物のゲート通路みたいなところにあるからちょっとわかりにくい。「Кв44」って看板に書かれているからそれを目印に。

そして中年既婚者、モスクワにてぼっち誕生日を迎える。48歳。ここでシャンパン!ではなくて、スーパーで買った梨ソーダ。ボトルがカワイイ。

考えてみたら48回も誕生日を迎えてるわけだ。もう祝いなんぞどうでも良いし、祝ってもらおうと期待するのも面倒なお年頃。

昔は物欲魂で、プレゼントくれ!金目のモンくれ!という人間だったが、今となってはモノはいらない。こうやって見知らぬ国を旅していることが自分にとって何よりのプレゼントだわ。あ、現金ならほしいけど。