海外一人旅をしていると、何かとトラブルもある。
しかしトラブルから人に助けてもらって人の温かさを知り、 更に多くを学ぶ。
チリの砂漠の小さな村で、頼りにしているクレジットカードがATMに飲み込まれてしまい、現金が一切引き出せなくなってしまったことがあった。
もうこの世の終わりかと思ったのだが。。。
南米ボリビアの砂漠地帯で、陸路からチリに入国すると、サンペドロ・デ・アタカマという小さな村がある。
この時私はボリビアのウユニからチリのアタカマ砂漠まで、2日間かけ、陸路で国境を超えるツアーに参加していた。
チリに入国後、サンペドロ・デ・アタカマという村で入国手続きをした。
サンペドロ・デ・アタカマは小さな村だが、世界で最も乾燥した砂漠、アタカマ砂漠の観光拠点として旅行者が集まっている。
私は既に宿を予約していたので、ひとまずその宿に荷物を置いて、ツアーで仲良くなったイギリス人3人と引き続き村の中心まで行くことにした。
宿は現金払いなので、3人と一緒に村を散策しがてら、私はチリペソのキャッシュを引き出そうと ATM に向かった。
いつも旅のお金は入国後に、ATMでクレジットカードを使って現地通貨を引き出している。
必要以上の現金を持ち歩かないようにするためだ。
一人旅で海外に行くときは、何よりもお金に関しての安全を確保しなければならない。パスポートも もちろん大事だが、お金を失ってしまうとその後の旅行が続けられなくなる。初めて海外ひとり旅をする人も、一人旅じゃない人も、慣れている人も、お[…]
その村には ATM が2か所しかないので長蛇の列ができていた。
やっと自分の番が回ってきたので、お金をキャッシングで引き出そうとクレジットカードを ATM に差し込んだところ、エラーでお金が出てこない。
そしてクレジットカードも出てこない。
どうしよう・・・・・。
左手にもう一台 ATM があったので、別のカードで試してみた。
カードは飲み込まれなかったが、やはりエラーでお金を引き出すことが出来なかった。
右手のATMはきっとウン詰まり状態になっているのだ!!!
しかし他の人がその後 右手のATMを使っていたが、私のカードは押し出されることはなかった。
ATMのブラックホールに飲み込まれてしまったようだ。
どうやらこの村では、私の持っている日本のクレジットカードが通用しない様子。
さらに「怪しい」認定をされてしまったようで、「のみ込んでやる!」となってしまったようだ。
エラーはわかったから、せめてカード返せよと。。。
ATMの機械に、電話番号が書かれていたが、電話をしても、いかんせん、すべてスペイン語だ。
近くにある旅行案内所のお姉さんに聞いてみたら、ATMをメンテナンスする人は明後日まで来ないと。
しかし私は次の日にサンティアゴへ行くため、明後日まで待つことができない。
飲み込まれたカードはカード会社に電話をして止めてもらった。
このカードはもうあきらめるとして、現金で支払わねばならない宿代と、空港までのバス代をどうするかだ。
そこで同じツアーに参加していたイギリス人の3人の内の一人、レスリーという女性がスペイン語を話せるのでずっと私に付き添ってくれた。
その村は、観光地…というか、観光客が集まる村なので、両替所は何箇所かある。
私は日本円を1万円だけ持っていたので、それを両替してもらおうと思った。
しかし日本円は両替してもらえなかった。
1万円はただの紙切れだ・・・。
そこでレスリーが村の人に聞き込みをしてくれた。
とあるツアー会社で、日帰りツアーを申し込み、そのツアー代金を多めの金額でクレジットカードで切ってもらう。
そして差額分をお釣りとして、チリペソの現金でもらうという手段なのだ。
例えば、日本円でいうと8000円の日帰りツアーがあるとする。
それをクレジットカードで2万円で請求してもらう。
そしてその差額の12000円を、手数料を引いて、現金で渡してくれるという仕組みだ。
手数料はそんな大した額ではなかった。
キャッシュ機能は使えなかったが、クレジットカードとしては機能しており、無事その日の夜の「アタカマ星空ツアー」を購入し、現金も入手した。
しかしこのウワサのツアー会社は、どこにあるのか中々見つからず、結局ここまでたどり着くのに半日かかってしまった。
なのに、サン・ペデロ・デ・アタカマから近い、カラマにあるエル・ロア空港へのバスのチケットを買うまで、ずっとレスリーは私と一緒に回ってくれたのだ。
無事バスのチケットも買うことができ、その後、一緒に助けてくれた他のイギリス人たちと3人と食事に行った。
4人分のお金を私がクレジットカードで支払い、3人の食事代を、私が現金で受け取り、念の為にと、チリペソを更に増やしてもらった。
ほんまはお礼におごってあげるべきなんやが・・・。
結局大都市のサンティアゴの空港では、余裕でクレジットカードで現金を引き出すことができた。
クレジットカードが飲み込まれたのは。この時以外他に経験はないのだが、こんな地球の果てのような場所でクレジットカードで現金が引き出せない場合、こんな裏技で現金を引き出すこともできるのだ。
ここで学んだこと。
・クレジットカードは複数持っておいたらなんとかなる
・田舎でキャッシングを使うときは、営業時間内に銀行の係員がいるATMで
・困っている旅行者がいたら助けよう
この1年後、丁度今から1年前の8月、イギリスに渡った際に、お礼参りにと、彼らに会いにロンドンとボーンマスに行った。
・・・と、お礼のつもりが結局おごってもらったりで逆にお世話になってしまったのやが・・・。